米ZLテクノロジーズが対日事業を本格化
あらゆる電子情報を一元的に蓄積・検索、訴訟リスク回避で注目
2010.12.07−企業内のあらゆる情報を一元管理するコンテンツアーカイブソリューションの専門ベンダー、米ZLテクノロジーズが日本での本格的な事業拡大に乗り出した。企業内の電子コンテンツを統制する法的要件が厳しくなるなか、米国ではコンプライアンス順守や訴訟リスク回避の観点から注目されているシステムで、まずは米国など海外でビジネスを推進するグローバル企業を対象に拡販を図る。とくに、製薬・化学などの業種で関心が高まっているという。
同社の製品は、「eディスカバリー」と呼ばれる市場に適合するもの。電子メールや電子文書をはじめとする企業内のあらゆる電子コンテンツを一元的に蓄積・管理するとともに、必要に応じてすぐに関連情報をもれなく検索することが可能。数十万人分のメールデータをリアルタイムに取り込める拡張性と、高速な検索スピードが特徴となっている。
米国の司法制度は、連邦民事訴訟規則(FRCP)などで訴訟に関係する電子文書をあらかじめ保存し速やかに提出することを求めている。しかも、法務部門の文書だけでなく、企業組織内の全部署から関連のある電子情報をすべて検索して集めるべきだとされているという。このため、情報管理を各社員に任せるのではなく、アーカイブして一元管理するeディスカバリーソリューションが注目されている。
同社の「ZLユニファイドアーカイブ」(商品名)は、こうした訴訟リスクの回避だけでなく、社内のあらゆるデータがリアルタイムに集積されていることを生かして、素早い経営判断を下す際の武器としても活用することが可能。10年以上の歴史のある製品で、企業ユーザーが必要とするほとんどの要件をすでに満たしているという。
今回、同社では、日本法人を強化し、カントリーマネジャー(下和田豊氏)の任命、スタッフ増員、オフィス移転(東京都品川区西五反田1-11-1、アイオス五反田駅前ビル)を行い、日本での本格的な事業体制を整えた。販売パートナーであるNTTデータ・セキュリティおよびネオアクシスと協調して、ソリューションの普及を目指す。米国に進出しているグローバル企業や訴訟リスクの高い業種を当面のターゲットとするが、すでに製薬メーカーなどからの引き合いも得ているという。
eディスカバリー市場は現在は北米が先行しているが、国内需要も今後3年間で3倍以上に成長するとみられている。日本法人では、2014年度に25億円の売り上げを計画している。