被災した大学などにDBベンダーが支援の取り組み

化情協/トムソン・ロイター/エルゼビア、学外からの接続など

 2011.03.30−東日本大震災に関連して、被災地の大学などでの研究活動をストップさせないため、物質・材料などのデータベースベンダーが支援の取り組みを相次ぎ開始した。

 米ケミカルアブストラクツサービス(CAS)の検索サービス「SciFinder」を提供している化学情報協会は、学外のパソコンからも使用できるように設定変更を行った。通常は学内の決まったパソコンからしか接続できないようになっているが、被災で学内に立ち入れなくなったり通学できなくなったりした教員・学生のために便宜を図ったもの。いつものユーザーIDとパスワードを使って、自宅やネットカフェなどからログインすることができる。

 対象は、被災した大学や研究機関の研究者で、該当する機関は10〜20、500〜600ユーザーの利用を想定している。現時点でサービス期限は決めていないという。

 一方、トムソン・ロイターやエルゼビアなどの海外ベンダーは、東京大学付属図書館京都大学付属図書館が開始した文献データベース接続サービスに賛同してコンテンツの無償提供を始めた。被災地の研究者は、両大学のネットワークを介して、トムソン・ロイターの「Web of Science」、エルゼビアの「ScienceDirect」(京大経由では引用DB「Scopus」も利用可)を検索することができる。こちらは4月末までのサービスとなる。

 トムソン・ロイターではこのほかに、被災地で活動する病院関係者、災害対策本部などを対象に、放射線関連情報と医薬品・中毒情報を含めた救急医療処置情報を「MICROMEDEX 2.0」から公開している。こちらは、厚生労働省医政局災害医療対策室DMAT事務局を通して配信中だ。


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