日本マイクロソフトが新たなスタート

2月から社名変更・本社移転、日本に根付きさらなる発展へ

 2011.02.03−マイクロソフトの日本法人は、2月1日付で本社を東京・品川に移転し、社名も「日本マイクロソフト」へ変更した。ちょうど今年は日本法人設立25周年に当たっており、社名に「日本」を冠することで、日本に根付いた日本企業としてあらためて成長・発展していこうという思いを込めたものだとしている。会見した樋口泰行社長は、社会貢献とともに、顔のみえる親しまれる企業になることを目指すなどと述べた。

 新本社の所在地は東京都港区港南2−16−3(品川グランドセントラルタワー)で、JR品川駅港南口からすぐ。首都圏に分散していたオフィスを一元化した(大手町テクノロジーセンターと調布技術センターはそのまま)。これまでは、月にのべ5,500回の頻度で社員がオフィス間を移動しており、時間やコストの浪費はもとより、一体感を損なうデメリットもあったという。

 今回、社名を「マイクロソフト」から「日本マイクロソフト」に変更したが、樋口社長は「かなり以前から考えていたことで、グループ内でもイギリスやフランスの法人など国名を冠しているところがあるため、社内でもそれほど違和感はない。また、とくに企業向けビジネスでは、顧客・パートナーともに社名に日本をつけることに好感を持ってくれた」と話す。

 新社屋は、31階建ての品川グランドセントラルタワーをほぼ占有しており、「マイクロソフトの提案する新しいワークスタイルを自ら実践し、1つのショーケースとしてお見せする」(樋口社長)ことも想定したものだという。

 樋口社長は、25周年の節目での社名変更・本社移転に当たって、日本企業として日本に根付くことに加え、就労支援・スキル支援などのITによる社会貢献、ソリューションの日本化を通した日本企業のグローバル競争力強化を支援、日本市場に合わせたクラウド化の推進を目指した国内パートナー企業との協業拡大、日本品質のグローバル展開−などの目標を掲げた。

 とくに、クラウド市場に関しては、「これは一時的なブームではなく、本当のパラダイムシフトになった。企業規模にかかわらず、その企業のポリシーによって導入が進んでいる。すべてのソフトがネットワーク経由で使われるのではなく、クリティカルなシステムはオンプレミスで使われていくが、数年のうちにはクラウドとオンプレミスとの平衡点に達すると思う。クラウドは月額課金が基本になるため、その過程では一時的な収入減が予想されるが、ここは乗り越えなければならない」とし、「マイクロソフトのクラウドは、オンプレミスでも同じ操作性と機能を提供でき、しかも相互に連携できるという強みがある」と強調した。

 また、「スレートPCやスマートフォンの台頭も著しいが、やはり個人の生産性ツールとしては今後もパソコンがプライマリーな存在であり続けると思う。そうしたパソコンの文化を発展させてきたのが当社のWindowsであり、その強みは変わらない。さらに、WindowsはスマートフォンやスレートPCの世界へも展開しつつあり、3スクリーン+クラウドのWindowsワールドですべてを連携させられる強みを引き続きいかんなく発揮していきたい」とした。

 なお、今期の日本マイクロソフトはグループ内でも業績好調であり、上期の売り上げは前年比で2ケタ増を達成、経営指標で全エリアトップの成績をあげているという。


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