アクセルリスが中小規模向け電子ノートベンダーを買収
スウェーデンのコンチュア社を1,310万ドルで、SaaSモデルにも対応
2011.06.03−アクセルリスは、中小規模のユーザー向け電子実験ノートブック(ELN)で実績を持つスウェーデンのコンチュア・ソフトウェアを1,310万ドルで買収したと発表した。大規模で完全に統合された電子実験環境を実現できる既存製品「Symyx Notebook by Accelrys」に加え、小規模な研究組織でも導入しやすいSaaS(サービスとしてのソフトウエア)モデルにも対応した「ConturELN」をラインアップすることで、幅広いニーズに応えていく。
コンチュアは1999年設立で、社員数は約20名。買収の契約をした時点での現金資産は約60万ドル。主要な経営陣は合併後も留任するという。
さて、主力製品の「ConturELN」は欧州のバイテク企業と2003年に共同開発されたもので、欧米を中心に約60社の導入実績がある。メガファーマでの導入はないが、バイテク、化学、食品・飲料、大学などの市場に強い。
「ConturELN」は、パッケージとしてオンプレミスで利用するほか、“iLabber”(http://www.ilabber.com)と呼ばれるクラウドサービスを通してSaaSモデルでも使用することができる。単一の研究拠点で、実験のプロセスを記録したり、結果を保存して再利用したり、知的財産(IP)を適切に把握したりする目的にかなっているという。
一方、「Symyx Notebook」は、複数の研究拠点や外部機関と協動し、周辺システムとの統合・連携を含めた完全なかたちでの電子実験環境に発展可能な上位ソリューションとしての位置づけになる。