2011年夏CCS特集:ビヨンド・コンピューティング
分子設計ソフトを無料配布、拡張機能を有償で提供
2011.06.23−ビヨンド・コンピューティングは、中小企業庁が実施している異分野連携新事業分野開拓(新連携)プログラムを活用し、国産分子設計支援ソフト「MolWorksバージョン3.0」を開発した。現在は無償で配布中だが、8月をめどにバージョン3.1をリリースし、拡張機能モジュールを有償で提供、本格的な事業化につなげていく計画を立てている。
MolWorksは、もともと国内の研究者らが自作プログラムを持ち寄るかたちで2000年に開発されたソフト。同社が新連携プロジェクトを通して製品化を目指しているのはその発展形で、設計した分子の特性を解析・予測することに加え、逆に望ましい物性を有する化合物を提案できる“モレキュラーマイニング機能”を組み込むことを目標としている。
現在のバージョン3.0は、現代的な使いやすさを備えたソフトに生まれ変わっており、GaussianやGAMESS、MOPACなどの計算化学プログラムとの連携が可能。ワークシート形式で複数分子の物性推算を一気に行う機能も搭載されている。
次期の3.1では、これらの基本機能に加えて、3次元グラフィックを行うためのプラグイン、ニューラルネットワークを利用した物性推算、ユーザー独自の予測式を組み立てるためのニューラルネットワーク学習機能−の3つを有償で提供する。ただし、ダウンロードして3カ月間はお試し期間として無料で利用できる。
さらに、計算化学エンジンをネットワーク経由で使用できるクラウドサービスも準備中だという。