2011年夏CCS特集:フィアラックス

計算化学支援でシリーズ化、使いやすいGUI提供

 2011.06.23−フィアラックスは、計算化学を研究者の身近な道具にするため、独自に培ったグラフィック技術を生かしたパッケージソフト開発を推進。CCSの統合環境の実現に向けて、シリーズ展開に力を入れている。

 同社は、たん白質や核酸の3次元グラフィックに特化した可視化ソフト「MolFeat」を2003年から製品化している。高品位な分子のイメージを作成でき、パワーポイントに埋め込んで分子をリアルタイムに操作するなどのユニークなプレゼンテーションに利用できるといった特徴がある。口コミで評判が広がり、いまも根強い人気がある。

 これに加え、今年から本格的に販売開始したのが計算化学支援のための製品群。「MF myPresto」は、産業技術総合研究所で開発された分子シミュレーションシステム向けのGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)ソフト。分子のモデリング、分子動力学(MD)計算、トラジェクトリー解析、ドッキングシミュレーションまで、一連の処理をわかりやすく実行することができる。

 また、myPrestoに含まれているMDソフト Cosgene専用に機能を絞った「MF Cosgene」も用意しているが、このほど米カリフォルニア大学で開発されているMDソフトであるAMBERを利用するための「MF Amber」もファミリーに加えた。学会展示などを通じてさまざまな要望も寄せられており、さらにNAMDやGROMACSなど他のMDソフトへの対応も急ぎたいとしている。

 同社では今後、国内の研究者が作成した計算化学ソフトの普及を後押しする目的で、GUIの開発や商品化などで積極的な貢献をしていきたいということだ。


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