2011年夏CCS特集:富士通
電子ノートで国内首位堅持、計算化学系も機能強化
2011.06.23−富士通は、情報化学と計算化学の両方の領域で長年の実績を持っており、とくに近年は電子実験ノートの導入で国内トップの地位を固めている。
情報化学系では、実験データ、分析データ、解析データ、文献情報など、さまざまな情報を一元管理する研究ナレッジシステムの提供に力を入れている。米ケンブリッジソフト(現パーキンエルマー)製品では、電子ノートのさらなる拡大を目指す方針。準大手・中堅を含めた製薬企業に加え、化学会社に対しても提案活動を強化する。また、アッセイデータ管理システムの再構築への需要の高まりにも、「ChemOfficeエンタープライズ」を利用して応えていく。
また、加ACD製品は昨年度は過去最高の売り上げをあげるなど好調が目立つ。さまざまな分析機器と連携でき、データの取り込み・解析・データベース化を自動的に行えることが特徴だ。
さらに、国内顧客からの受託開発で蓄積したノウハウをベースに化合物・試薬在庫管理システムのパッケージ化にも取り組んでいく計画である。
一方、計算化学系では、自社製品「SCIGRESS」の最新バージョンが5月にリリースされている。分子動力学法や半経験的分子軌道法で自社製エンジンを持つ強みを生かし、着々と機能強化を続けてきた。最新版ではグラフィックも改善され、使い勝手も大幅に向上しているという。
また、多くのユーザーの声にこたえ、分子動力学法専門パッケージも「SCIGRESS ME」として今年から復活させた。
あす24日には、東京・汐留の本社で「富士通計算化学セミナー2011」を開催し、それらの最新情報とユーザー事例を紹介することになっている。