2011年夏CCS特集:化学情報協会

合成スキーム検討が容易に、検索サービスに新機能

 2011.06.23−化学情報協会は、米ケミカルアブストラクツサービス(CAS)のオンライン検索サービス「SciFinder」を提供。メインの利用環境がパソコンにインストールして使う専用クライアント版からブラウザーで利用するウェブ版へと切り替わるに従い、新しい機能が次々に搭載されてきている。なかでも、今年の春に実現した“SciPlanner”は合成化学者が待望した新機能として大きな反響を呼んでいる。

 SciPlannerは、研究者がデータベース検索を行いながら新しい反応経路を考察したりする目的で利用できるホワイトボードのような存在。SciFinderで検索した文献情報、物質情報、反応情報をピックアップしてライブラリーに一時保存しておき、そこから必要な情報をワークスペースにドラッグ&ドロップして自由に配置していける。画面はそのままPDFに変換したり、印刷したりもできるので報告書作成も容易だ。

 ワークスペースに貼りつけた情報はただの絵ではなく、データベースへのリンクを保持しており、さらに前段の反応物を探るなど、ワークスペースの中から検索を繰り返して新しい反応スキームを描いていくことができる。

 また、今回の機能強化では、文献検索の回答画面での被引用数による並べ替えを実現したほか、構造式作図ソフトとの連携として新たにISIS/Draw(ChemDrawには対応済み)にも対応した。いずれも利用者の要望がタイムリーに反映された結果だという。


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