2011年夏CCS特集:物質・材料研究機構

物質材料DBアクセス拡大、利用者登録が2.5倍に

 2011.06.23−物質・材料研究機構(NIMS)の材料情報ステーションは、2003年から世界最大級の「NIMS物質・材料データベース MatNavi」(http://mits.nims.go.jp)をインターネットで公開。昨年7月に全面リニューアルを行ったが、登録ユーザー数やアクセス数が急上昇しており、世界中の研究者から利用されるデータベースとしての役割はますます高まりをみせている。

 MatNaviが提供しているデータベース(DB)は、国プロジェクトなどで開発された資産を引き継いで維持・管理・更新しているものが多い。データに対する信頼性も高く、民間企業などからはオンラインで検索するだけでなく、DBを社内に置いて活用したいという要望もしばしば寄せられるということだ。

 今年の4月末時点の登録ユーザー数は5万5,326人(うち海外が1万5,853人)。141カ国の1万8,121機関に所属している研究者・技術者や学者・学生たちだが、この数字は5年間で2.5倍に拡大した。5年後には10万人を超えると予想される。リニューアル後はアクセス数も増え、毎月120万件前後。リピーターの利用が7割と多いのが特徴だ。

 とくに、公開中の多数のDBの中で、高分子DB「PoLyInfo」、無機材料DB「AtomWork」、金属材料DB「Kinzoku」が3本柱で、継続的な発展を図っていく考え。このうち、PoLyInfoは今年になって、高分子構造からIUPACの構造基礎名を発生させる自動命名システムを組み込んだほか、物性推算機能もパワーアップさせた。AtomWorkも、結晶構造と状態図、X線回折データ、プロパティの4つを相互リンクさせたユニークなDBとして、今後ますます評価が高まるだろう。


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