2011年夏CCS特集:シュレーディンガー

日本法人設立で直販体制へ、データ視覚化で新製品

 2011.06.23−米シュレーディンガーは、6月に100%出資の日本法人「シュレーディンガー株式会社」を設立した。日本法人は今後人員増を急ぎ、10月から単独での本格的な事業活動を開始する予定。欧米で最大の成長株である同社だけに、これからの対日戦略が注目される。

 同社は、量子化学プログラムの開発を皮切りに製品ラインを段階的に広げ、現在ではドッキングシミュレーションなどの創薬支援ソリューション分野で多くのシステムを提供している。

 代表的な製品には、たん白質の立体構造を予測する「Prime」、受容体たん白質に対する薬物分子のフレキシブルドッキングを行う「Glide」などがあるが、リガンドベースの分子設計支援システムも含め、高度な技術力を特徴としている。

 昨年12月には米シナプティックサイエンスを買収し、「SEURAT」を新たに製品ラインに加えた。これは、エンタープライズクラスのインフォマティクスプラットホームで、化学・生物学・臨床データなどの複合的で大量の情報を、統合化された視点で効率良く扱うことができる。異なる部門の研究者間で情報の共有と研究の連携を推進させる原動力になるという。

 新しくできた日本法人はこれまでの代理店制をやめ、10月から直接での販売・サポートを行っていく。このため営業・技術などのスタッフ増員を急ぎ、早期に10人前後の体制で軌道に乗せたいとしている。海外子会社としてはドイツに次いで2番目になる。


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