CTCLSが医薬品製造時の品質をリアルタイム管理
米イージス社と代理店契約、バイオ医薬品の生産技術改善が容易に
2011.04.05−シーティーシー・ラボラトリーシステムズ(CTCLS)は4日、米イージス・アナリティクス(本社・コロラド州、ロベルト・M・デシピオ社長兼CEO)と国内で初めての代理店契約を締結し、医薬品開発・製造技術の確立を効果的に支援するパッケージソフト「Discoverant」を発売すると発表した。製造工程途中で医薬品の品質をリアルタイムに管理することができるシステムで、抗体医薬を中心とするバイオ医薬品に関する生産技術の立ち上げに大きく貢献できるという。同社では、営業・技術・サポートの専任体制を組んで普及を目指し、2012年度に10億円の売り上げを見込んでいる。
「Discoverant」は、2000年に製品化されたパッケージソフトで、世界で1,000ユーザー以上の実績がある。医薬品製造プロセスをリアルタイムにモニタリングし、品質情報や工程情報、イベント情報などのデータをリアルタイムにグラフ化して解析することが可能。品質に影響を与える要因を素早く把握することができ、品質のばらつきの原因究明を短時間で行うことができる。導入以前に対して、50%以上の品質不良の削減が可能だという。
とくにリアルタイム性が最大の特徴。これまで、製品の品質を確認するためには製造工程を中断する必要があるため、最終工程の終了まで不良品を確認できないことがほとんどだった。とりわけ、バイオ医薬品では、細胞培養など中断できない工程が多く、途中での品質確認もできないため、通常の低分子医薬品と比較して生産技術面の改善のハードルが高いといわれていた。
「Discoverant」では、プロセス開発や品質保証部門への予測的な分析情報の提供も可能になるほか、ICH(医薬品規制調和国際会議)で進められている新しい開発・品質保証戦略としての“QbD”(Quality by Design)、製造業務の効率化という観点で注目されている“PAT”(Process Analytical Technology)や“RTRT”(Real Time Release Testing)などの取り組みにも役立つメリットがある。
欧米の大手製薬業の中には、このシステムを全社的な品質情報共有基盤として導入し、複数の海外製造拠点への展開を進める例もあるという。