化学情報協会が「SciFinderモバイル」を国内でサービス開始

スマートフォンから自由に利用、モバイルを生かした利便性

 2011.06.16−化学情報協会(JAICI)は、米ケミカルアブストラクツサービス(CAS)のオンライン検索サービス「SciFinder」をスマートフォンから利用できるようにする新サービス「SciFinder Mobile」(SciFinderモバイル)を日本国内でも提供開始した。追加料金は一切必要でなく、普段使っているSciFinderのIDを利用して手持ちのスマートフォンからログインするだけで自由に利用することが可能。PCからSciFinderを利用すると、契約機関ごとの同時接続数制限がかかる場合があるが、今回のモバイル版はそうした制限もなしで、使いたいだけ使うことが可能。いまのところ、大学からの関心が高いという。

 SciFinderモバイルのトップ画面は左の写真の通り。メインの検索メニューとして、「Substance Identifier」(物質名や物質IDからの検索)、「Research Topic」(研究トピックのキーワード検索)、「Author Name」(著者名での検索)、「Company Name」(企業名での検索)が並び、さらに「Saved Answer Sets」と「Keep Me Posted Alerts」のメニューがある。シンプルでわかりやすいつくりであり、検索結果としては化学構造式などもしっかりと表示される。

 利用環境はスマートフォン専用で、スレート端末(タブレット端末)には対応していない。このため、画面や操作面での制約があり、PC代わりに使うには荷が重いが、思いついたときに手軽に調査するといった用途には十分。とくに、PCで詳しい検索を行い、その回答集合を保存しておけば、モバイル版の「Saved Answer Sets」メニューからそれらをすぐに参照できるので、モバイルの利便性を生かした使い方が可能になるという。

 また、「Keep Me Posted Alerts」であらかじめ検索式を登録しておけば、気になる研究トピックや注目している企業など、新しい情報が登録されると自動的にアラートが届く。これも、モバイルで便利な機能だといえるだろう。

 SciFinderモバイルは、現時点で国内で流通しているほとんどの機種のスマートフォンで利用することができる。


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