日本マイクロソフトがインターネットエクスプローラー9を提供開始

HTML5など業界標準に対応、ウェブアプリの進化を牽引へ

 2011.04.27−日本マイクロソフトは、最新のウェブブラウザー「Windows Internet Explorer 9」(IE9)日本語版を26日から提供開始した。世界では3月15日から公開されているが、東日本大震災の影響によるネットワーク回線への負担に配慮し、日本では提供時期を遅らせていたもの。世界ではすでに1,000以上のウェブサイトがIE9の新機能に対応しており、3月末までにWindows7におけるIE9の利用率が3.6%に達するなど、これまでのIEの歴史上最速のスピードで普及しているという。

 IE9は、高速・洗練・信頼・相互運用性という4つのキーワードがテーマで、「Windows7との組み合わせがベストだが、年内にはWindowsPhone向けにもリリースするなど、マイクロソフトの“マルチスクリーン&クラウド”戦略の重要なインフラになる」(日本マイクロソフトの堂山昌司代表執行役副社長)と位置付けられている。

 ブラウザーで行うすべての画面描画にGPU(グラフィックプロセッサー)を活用し、サイト表示の高速化とCPU負荷の軽減を実現したほか、Windows7のユーザーインターフェースに最適化され、サイトのピン留め(お気に入りのサイトをタスクバーに直接固定する)、ピン留めサイトからのジャンプリスト、タブの分離と結合など、簡潔化・効率化された操作性が特徴となっている。

 また、ほとんどの機能をツールボタンに集約し、アドレスバーと検索窓を統合するなど、ウェブサイトの表示エリアを広くとっている。フィッシング詐欺サイトの表示やマルウエアのダウンロードをブロックするなどのセキュリティ機能も組み込まれており、ビジネス向けにも安心して使用できるということだ。

 ただ、25日に東京で開かれた製品発表会では、こうしたさまざまな機能よりも、業界標準の“HTML5”への対応が前面に打ち出されて強調された。HTML5では、さまざまなAPIが提供されるため、サーバーで生成されたウェブページを単純にブラウジングするだけの役割ではなく、ブラウザーがウェブアプリケーションのプラットホームとして働くようになるという。スマートフォンを含めた多様なデバイスをサポートするIE9がHTML5に対応することで、ウェブの進化が促進されるという期待が示された。

 なお、IE9のダウンロードは(http://windows.microsoft.com/ie9/)より行うことができる。WindowsUpdateを介した自動アップデートでの提供はまだ少し先になるという。


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