セーラー万年筆が今夏に電子モール「セシモ」をオープン
双方向リアルタイムのプラットホーム、高齢者まで全世代対象に
2011.04.07−セーラー万年筆は、インターネット事業を本格展開するための戦略子会社「セーラーCモール」(略称・セシモ)を設立、今夏から電子モールサービスを開始すると発表した。サードパーティーのサービス業者/コンテンツ事業者に対して、双方向リアルタイム性を特徴とするコミュニケーションプラットホームを提供するもので、3年間に20〜50社のパートナーを集め、会員数100万人を目指していく。100年の歴史を持つブランド力を生かして、若年層だけでなく高齢世代まで取り込むことを狙えることを売り物にしたいという。
新サービスは「セシモ」の愛称で展開する。同社が提供するのは電子モールのためのプラットホームで、パートナー企業がその上でさまざまなサービスを実施するかたちになる。具体的には、文字・音声・映像を統合できる双方向のコミュニケーションプラットホームと、月額課金・スポット課金・クレジット決済の機能を持つ課金システムで、システム開発はフライトシステムコンサルティング(本社・東京都渋谷区、片山圭一朗社長)が担当。スマートフォンやスレート端末(タブレット端末)からの利用をメインとし、高齢者にも使いやすいユーザーインターフェースを実装する。
ターゲット市場としては、教育(語学学習、幼児教育など)、医療・福祉(病院、在宅介護など)、企業・自治体(社内会議、企業IRなど)、レジャー(対戦型ゲーム、占いなど)、趣味・稽古(料理教室、茶道、華道など)などを想定しており、アプリケーション当たり300円から2,000円の料金で提供する予定。異業種が集まるモールとなることで、サービス間・利用者間で有機的なコラボレーションを起こす期待もあるという。
セーラー万年筆は、“情報を伝達する文化”の担い手であり、伝達の道具が筆記具から電子機器へと変化する時代に対応することを目指したのが今回の「セシモ」戦略だと位置づけている。筆記具のメインユーザーである高齢者層に対するブランドの優位性を武器に、他の電子モールとは一線を画したサービスの実現を目指す。3年後に100万人の会員を集め、モール全体の取引高として300億〜500億円を見込む。子会社セシモの直接の売り上げとしては、10億〜30億円を計画している。