富士通九州システムズが「ADMEデータベース」を更新
最新データを追加、臨床薬物相互作用データ件数が1,500件に増加
2011.07.05−富士通九州システムズ(FJQS)は、「ADMEデータベース」の最新バージョン23を7月1日から提供開始した。化合物の代謝などのADME(吸収・分布・代謝・排出)特性をインターネットで検索できるサービスで、四半期ごとにデータの追加や機能強化が実施されている。文献から収録した非臨床の薬物代謝データが中心だが、昨年からは臨床の薬物相互作用データも増やしてきている。製薬企業における新薬開発や大学教育などの分野で利用されており、年間に30件の新規契約を販売目標としている。
このデータベースは、薬物動態分野の著名な研究者であるクロアチアのレンディック博士のグループがまとめているもので、ヒトの主要な薬物代謝酵素であるチトクロームP450を中心に、約8万4,500件の試験管内実験のデータを収録。キーワード選択方式で簡単に検索できるほか、複雑な条件式の設定や構造検索(部分構造や類似構造検索も可能)を行うこともできる。
今回のバージョン23では、新たに250件の文献から約1,600件の非臨床薬物代謝データを追加したことに加え、66件の文献をもとに約170件の臨床薬物相互作用データを追加した。
臨床薬物相互作用データは、ヒト臨床試験において、薬物を単独投与した場合と複数を併用した場合の薬物の血中濃度の上昇率などを収載したもの。現在、投与計画や血中濃度、消失半減期、最高血中濃度など約1,500件のデータが利用できる。
利用料金はアクセスできるデータベースによって異なるが、全データベースパックが年間157万5,000円、これに薬物相互作用データベースを加えたフルパックで同189万円。教育機関向けは、全データベースパックで同52万5,000円となっている。