パーキンエルマージャパン:青木睦郎新社長が会見

トータルソリューション志向へ、日本では来年からケンブリッジソフトを統合

 2011.07.09−パーキンエルマージャパンは8日、6月1日付で新たに就任した青木睦郎社長が記者会見し、企業戦略などについてあらためて説明した。各種の化学分析機器を環境測定や新材料・医薬品開発、半導体関連などの幅広い分野に提供しているが、「今後は単に機器を販売するだけでなく、トータルソリューション志向に転換し、より進化したビジネスモデルを追及していく」と表明した。

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 パーキンエルマーは、世界150ヵ国で事業を展開している企業で、グループの従業員数は6,200人、売り上げ規模は17億ドル。技術志向が強く、2,900以上の特許を保有しているという。日本法人もすでに33年の歴史があるが、青木社長は「とくに横浜と大阪にラボがあり、顧客の先端計測ニーズに対応できる」ことを強調した。

 青木社長は、最新のパーキンエルマーの戦略について、「“For The Better”をキーワードに、人々の健康を守るヒューマンヘルスと、人々の安全とそれを取り巻く環境を守るエンバイロメンタルヘルスの2つの領域で事業を展開している」と説明。「食品の品質管理・安全管理、創薬・臨床試験、先天性疾患の早期発見・予防、三次元による細胞画像解析、飲料水・地下水・表層水の微量金属分析など、この分野にはさまざまなテーマがあるが、そのための機器を提供するだけではなく、顧客と一緒になってトータルソリューションをつくりあげていくことが目標になる」と述べた。

 その一例が「OneSourceラボラトリーサービス」。これは、他社製の分析機器や一般汎用機器も含めて一括して同社が面倒をみるサービスで、ユーザー側はオペレーションの最適化やコンプライアンスの順守、コスト管理などの面倒な手間をすべてアウトソーシングすることができる。

 同社は4月末で米ケンブリッジソフトとの事業統合を完了させたが、この買収もトータルソリューション志向の一環として位置付けられる。日本においては、来年1月を目標にケンブリッジソフト事業を日本法人に統合する予定。

 青木社長は、「自分自身は石油会社や化学会社で仕事をしてきたため、分析機器についてはユーザーの立場だった。逆に、ユーザーの視点を経営に生かして、より良いソリューションを提供していきたい。パーキンエルマーは、人間と環境の“ヘルス”という切り口で世の中のためになる仕事をする企業だと思っており、いろいろな意味で社会に貢献していきたいと願っている」とした。

 また、現在の世界全体の地域別売り上げは、米国46%、欧州35%、アジア太平洋19%となっているが、「これからはアジア地域が大きく伸びて、欧米を凌駕するまでになっていくはず。日本はいまのところ中国と同じくらいの売り上げ比率でありまだまだ成長の余地がある。グループの中での日本の地位をさらに高めていきたい」という。


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