2011冬CCS特集:アクセルリス

ケムインフォ製品体系一新、他社製品との連携に力

 2011.12.07−アクセルリスは、ケムインフォマティクス領域の製品体系を一新し、「アクセルリス・ケムインフォマティクススイート」として提供開始した。旧シミックスとの合併によって最も拡充されたソリューション分野であり、戦略的な意味合いからも積極的に事業拡大を目指す。製薬・化学・材料研究を行うユーザー企業に対しては、包括的なインフォマティクスのプラットホームとして、大規模で複雑なデータに対する迅速なアクセス、高度な情報分析、グローバルな情報共有を推進できるメリットを与えるという。

 同社は、CCSのトップベンダーとして生命科学系/材料科学系のモデリングシステム、電子実験ノートブック、研究・実験データの統合管理、研究を効率化するワークフローなど、エンタープライズクラスのソリューションを幅広く提供している。

 とくに、今回のケムインフォマティクススイートは、シミックスの技術や製品を統合して新たに体系化したもので、データ検索・データ視覚化、マイクロソフトオフィス製品との連携、化学・生物情報の登録、生物系の評価データ管理、コラボレーション基盤−などの構成要素が含まれる。

 自社製品だけでなく、外部パートナーとの連携にも力を入れており、ジ・エッジ社が開発したアッセイデータ管理や生物データ分析ツールである「BioRails」と「Morphit」をこのスイートの一部として販売する権利を取得している。また、製薬会社がCRO(臨床開発受託企業)などとネットワーク上で共同研究を行うための環境を提供するクラウドサービス「HEOS」(サイネクシス社)についても販売契約を結んだ。これらは単独でも利用できるが、電子実験ノート「シミックスノートブック・バイ・アクセルリス」と組み合わせることで、さらにパワフルな研究環境を実現することが可能だ。

 一方、モデリング製品も定期的に機能強化が実施されているが、新しいところでは今夏にリリースされたばかりの「ディスカバリースタジオ」の「AggMapモジュール」の注目度が高い。たん白質の凝集性向を予測するもので、抗体医薬などの製剤設計に役立つという。たん白質の凝集しやすい部位の大きさと場所を特定し、安定性を強化させる変異を予測することができる。


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