2011冬CCS特集:アフィニティサイエンス

計算機科学活用を総合支援、主要製品の最新版登場

 2011.12.07−アフィニティサイエンスは、計算機科学を研究に活用することを支援する専門ベンダーとして、生命科学と材料科学の両分野で各種のCCSパッケージソフトを提供。HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)システムの構築や、アカデミックユースのフリーソフトの導入支援も行っており、ユーザーの幅広い要望に応える体制を整えている。

 現在の主要製品は、「Ligand Scout」を中心とするオーストリアのインテ・リガンド社のファーマコフォア研究向けソリューション、伊タレッタ社の分子記述子計算ツール「DRAGON」、イスラエルのシナジックス社のCCS学習教材「モレキュラーコンセプター」、ウィーン工科大学が開発した固体の電子構造計算ソフト「WIEN2k」、スペインのナノテック社の大規模密度汎関数法ソフト「SIESTA」など。

 このうち、WIEN2kは大学・公的研究機関や企業向けに順調に普及が進んでいる。線形化された平面波法に局在軌道を拡張したLAPW+lo法を採用しており、高精度なバンド構造計算が可能。とくにスペクトル予測で評価が高い。

 また、SIESTAは今夏に最新バージョン3.1が提供されたばかり。数千原子という巨大な系が扱えるため、注目が高まっている。アカデミック利用は無償となるが、同社では有償のインストールサービスで利用をサポートしている。

 一方、Ligand Scoutも10月末に最新のメンテナンスリリースが提供開始された。構造ベースおよびリガンドベースのファーマコフォアモデリングからバーチャルスクリーニングまで行える製品で、モデリングの専門家だけでなくメディシナルケミストにも使いやすいように工夫されているため、欧米ではコーポレートライセンスでの実績が伸びているという。最新版ではPCクラスターを利用した並列処理が自動化されるなどさらに強力になっており、今後は国内でもユーザー拡大が期待される。

 そのほか、DRAGONは企業向けに30%割引きのキャンペーンを実施中で、来年1月末の注文まで適用される。


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