2011冬CCS特集:コンフレックス

配座探索と計算化学を連携、講習会で活用方法提案

 2011.12.07−コンフレックスの配座探索ソフト「CONFLEX」を、米ガウシアンが開発した非経験的分子軌道法ソフト「Gaussian09」と組み合わせる使い方が人気を呼んでいる。

 CONFLEXは、分子や結晶の配座異性体の最適化構造をもれなく探索する機能を持つため、その精密な配座が量子化学計算を行う際の初期構造に適しているとして注目されているもの。Gaussianの専用GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)ソフトである「GaussView」を介してスムーズに連携できる。

 コンフレックスでは、たびたび実習形式の講習会を開いて具体的な活用方法をアピールしてきたが、回を追って人気が高まっている。11月に実施した講習会はすぐに定員となってしまったため、来年1月末に追加の講習会を開く予定。参加者との討議も活発で、自分の研究テーマに沿った実践的な質問をあらかじめ用意してくる人も多かったという。今後とも、CONFLEXとGaussianを組み合わせた活用法を広めていきたいとしている。

 同社はGaussianの販売権も持っているが、10月に機能強化(リビジョンアップ)されたことで、問い合わせもあらためて増えているということだ。とくに、Windows版が64ビット環境に対応したため、メモリーやディスクの制限がなくなり、マルチコアによる並列処理の効果も高まった。

 また、米カリフォルニア大学で開発されている分子動力学ソフト「AMBER」も来春にはバージョンアップ予定であり、これも新しい機能の搭載が期待される。

 一方、CONFLEXでは、これまでWindows版だけで提供されていたGUIが、マック版およびLinux版にも用意され、大幅に使いやすくなったことが特筆される。次期バージョンではGUIを完全に統一し、どのOSでも同じように操作できるようにする計画である。

 また、CONFLEXについては最近になって欧州からの問い合わせが増えてきているという。米国ではすでにサンディエゴに支社を設けているが、国産ソフトのCONFLEXが海外で普及することは歓迎すべきことだといえる。今後の推移に注目したい。


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