シュレーディンガー日本法人が本格的に始動
11月にユーザー会開催、コンサルティング事業にも力
2011.10.22−米シュレーディンガーの日本法人「シュレーディンガー株式会社」が10月から本格的に始動した。まずは4名のスタッフを揃え、直接販売・直接サポートの体制で営業活動を開始している。米本社は最近、コンサルティング事業を強化してきているため、国内でもそれに取り組む方針。欧米ではいくつものプロジェクトの実績があり、早くも日本の製薬企業で関心を示すところがあらわれているという。
同社では、11月14日に東京・丸の内の東京国際フォーラムで「シュレーディンガー日本ユーザーグループミーティング」(http://www.schrodinger.com/events/262/1/)を開催し、日本法人のスタートの弾みとする考え。アステラス製薬、日本新薬ほか国内ユーザー3社からの事例発表を含め、本社から専門家が来日し、最新の薬物設計技術を解説する。
一方、日本法人のビジネス的な側面では、以前の代理店時代には取り組みにくかったコンサルティング事業にも力を入れる。本社には十数名の専門スタッフを中心とした「ドラッグディスカバリーアプリケーショングループ」(DDAG)と呼ばれるコンサルティングチームが組織されており、過去4年間で大手製薬企業から中規模バイオテクノロジー企業、大学・研究機関まで、合わせて30件近くの創薬目的のプロジェクトを推進してきた。最新の事例では、今年7月にヤンセンファーマと契約したことを発表している。
シュレーディンガーのモデリング/シミュレーション技術などを駆使し、ハイスループットスクリーニングで良い結果が出ないといった創薬研究上の特定の問題解決に当たるというもの。専門のコンサルタントに加え、ソフト開発者やアプリケーションサイエンティストが周辺で支援するため、問題解決能力は非常に高いという。