シュレーディンガーが日本法人発足キャンペーン
プレミアム製品年間使用権無償提供、大学向け特別価格など
2012.01.11−シュレーディンガーは、昨年10月から日本法人が正式に業務を開始したことを記念し、「日本法人発足記念キャンペーン」を開始した。民間企業向けと大学向けでそれぞれ異なる内容のキャンペーンとなっており、初年度の事業の立ち上げを後押しする狙いもある。
民間向けでは、まずトークンライセンス方式の年間使用権を保有している全ユーザーに対し、「KNIMEエクステンションズ」の年間使用権を無償で提供する。期間は、今年の4月から来年3月まで。
これは、フリーのワークフローツールである「KNIME」(有償のエンタープライズ版もあり)で利用できるコンポーネント(ノード)で、ワークフローの中にシュレーディンガー製の各種プログラムを呼び出すことができる。現在、150種類のノードが提供されており、シュレーディンガースイートのほとんどの機能をKNIMEに組み込んで利用することが可能。
また、民間向けの2つ目のキャンペーンとして、追加でプレミアム製品の年間ライセンスを無償提供する。こちらは、この1月からスタートしている。これは、14〜18トークンの年間ライセンス購入者向けのオプションAと、20トークン以上購入者向けのオプションBがあり、新規ユーザーだけでなくライセンスを更新したユーザーも対象になる。
同社は、たん白質立体構造予測の「Prime」と薬物分子とのドッキング解析を行う「Glide」の組み合わせによるソリューションで知られているが、それ以外にもユニークな製品が増えてきているため、それらを実際に試してもらうことが目的だという。
具体的に、18トークンまでのオプションAでは、Glideのエキスパートモード用の可視化ツール「XPビジュアライザー」、Glideの解析結果からのデータマイニングに活用できるケムインフォマティクスプラットホーム「Canvas」、ファーマコフォア解析を行うリガンドベースドラッグデザイン(LBDD)系の新製品「Phase」の使用権を入手できる。
もっぱら、Prime/Glideのみを使っているユーザーに、周辺プログラムを併用するメリットを感じてもらおうという選択である。
20トークン以上のオプションBになると、上記3製品に加え、高速・高精度ドッキング解析プログラム「Glide」、たん白質立体構造予測プログラム「Prime」、自動ドッキングプログラム「CombiGlide」、ドラッグデザインで母骨格の置換を行う「Core-Hopping」、分子動力学シミュレーションプログラム「Desmond」、QM/MM計算プログラム「QSite」の年間使用権が付く。
一方、アカデミック向けのキャンペーンは、民間で知名度が高いシュレーディンガー製品を使ってみたいという大学などの新規ユーザーを対象に特別価格を設定したもの。ドッキングシミュレーションなどのストラクチャーベースドラッグデザイン(SBDD)分野を中心に、年間使用権で100万円、200万円、300万円の3種類のパッケージを用意している。こちらも、この1月からスタートした。
シュレーディンガースイートは、創薬のための実務的な製品であり、とくに日本では民間での実績が大半を占めている。ところが、最近では大学を中心にした創薬プロジェクトも増えているため、関心を示すユーザーが多くなってきていたが、これまでは価格面などで導入の敷居が高かったという。
<関連リンク>:
シュレーディンガー、日本法人ホームページ
http://www.schrodinger.com/jp
シュレーディンガー、製品紹介ページ
http://www.schrodinger.com/productsguide/