2012年夏CCS特集:富士通九州システムズ
薬物同士の相互作用を予測、PBPKモデルで注目
2012.06.27−富士通九州システムズ(FJQS)は、自社開発の薬物相互作用予測ソフト「DDIシミュレーター」の国内外での普及に全力をあげている。昨年から米国で開かれる国際薬物相互作用学会(DDI)と国際薬物動態学会(ISSX)で展示やセミナーを行っており、知名度も向上している。
薬物同士の相互作用は副作用を引き起こす場合があるため、新薬の承認などの際に重要なデータになるとして注目を集めている。DDIシミュレーターは、生理学的薬物動態(PBPK)モデルを実装しているため、正確な定量評価を行うことが可能。米食品医薬品局(FDA)からも今年、薬物相互作用評価におけるPBPKモデルの使用に関するガイダンスが出されている。
国際的にこの分野の研究をリードしている東京大学の杉山雄一教授(理化学研究所)の監修のもとに製品化されていることも特徴で、米国で行ったセミナーでも杉山教授の講演で注目を集めた。
また、7月末には最新バージョン2.1がリリースされる。薬物代謝酵素の阻害様式として、競合阻害とMBIの統合モデルを実現したほか、小腸での代謝阻害を考慮した予測精度も大幅に向上した。パラメーターデータベースも最新のFDAの薬物情報までをカバーしている。
一方、代謝や毒性などを予測する「ADMEWORKS」も今秋にバージョンアップを計画中。予測の実行については、フローチャート機能を使って最適な母集団からつくられたモデルを自動的に選択できる機能が新たに搭載される。さらに、ICH(日米欧医薬品規制調和国際会議)の遺伝毒性不純物のガイドライン作成(M7)で注目されているAMES変異原性予測モデルも大幅に強化される予定だ。
モデル構築機能としては、ユーザーからの要望で金属を含む全元素に対応した。