2012年夏CCS特集:三井情報
バイオソフト内外で高評価、オミックス研究で脚光
2012.06.27−三井情報(MKI)は、30年以上前からバイオ研究用ソフトウエアの開発を手がけており、現在ではシステムインテグレーターとしての総合力を背景に、コンサルティング、システム開発、調査研究、パッケージソフト販売−の4つの領域でトータルサービスを提供している。
最近では、とくにゲノム、プロテオーム、メタボロームなどを対象にしたオミックス研究分野でのデータ解析が注目されているが、同社が製品化した「LipidSearch」は世界でも類のない脂質同定ソフトとして内外で評価が高まっている。これは、東京大学の田口良教授(現中部大学生命健康学部教授)と共同開発したもので、生体内脂質を対象とした大量の質量分析データを読み込み、一括して同定・定量化することができる。
質量分析器メーカーと協力して海外でも販売することを検討し始めており、実際に今年の米国質量分析学会に初めて出展したところ大きな反響を得たという。
また、液体クロマトグラフィー質量分析器(LC/MS)に対応したバイオマーカー探索ツール「2DICAL」は国立がんセンターなどと共同で製品化したもので、膵がんの研究などに役立っている。
この「2DICAL」はバイオメディカル分野のソフトの相互利用を促進する“ガルーダ・アライアンス”のプラットホーム上で商用ソフト第1号として公開される予定で、これも注目される。
さらに、応用が広がっている次世代シーケンサー(NGS)との関連では、ビッグデータの解析でSAPジャパンが提供するインメモリーソフト「SAP HANA」を採用して、がんデータを用いた検証に取り組んでいる。