CTCLSが新中期経営計画をスタート

CMC・GMP領域で成長へ、売り上げ25%増目指す

 2012.06.29−CTCラボラトリーシステムズ(CTCLS)は、2014年度をゴールとする新中期経営計画をスタートさせた。ライフサイエンス市場での地位をさらに固めるため、既存の創薬研究領域に加え、CMC(化学、製造、品質管理)およびGMP(医薬品の製造に関するガイドライン)領域のソリューション拡大、理学機器の拡販−の3項目をポイントとし、2011年度比で2014年度に売り上げ25%アップを目指す。

 同社は、20年以上にわたって製薬企業の研究開発をIT(情報技術)の側面からトータルサポートしており、創薬から開発までの幅広いステージをカバーする豊富な製品群を提供している。

 今回の新中期経営計画は、事業領域をCMC・GMP分野および理学機器の販売へと広げた前中計の実績をさらに発展させ、この新たな2分野を確立させるとともに、将来の成長を支える新ビジネス・新領域を探索していくことが骨子となっている。

 まず、コアビジネスである創薬支援領域では、ソリューションの網羅率の高さ、専門的な業務知識、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)グループをバックに持つ総合力などを武器に、電子実験ノート(ELN)を中心にしたマルチベンダーソリューションに力を入れる。とくに、ユーザーの幅広いニーズに対し、ELNとして米アクセルリスと英IDBSという選択肢を提供できる利点を生かすが、自社開発製品である法規制チェックシステム「RegSys」、試薬在庫管理システム「RAKTIS」と連携できることも大きな強みとなる。

 また、CMC・GMP分野では、QbD(クオリティ・バイ・デザイン)、PAT(プロセスアナリティカルテクノロジー)やRTRT(リアルタイム・リリース・テスティング)など製薬業の新しい要求に応えるシステム群をいち早くラインアップ。あらゆるラボ情報を法規制に準拠したかたちで統合管理する「StarLIMS」(米スターリムス)、医薬品製造時の品質をリアルタイムに管理する「Discoverant」(米イージス)、法令に基づいた医薬品開発工程でのさまざまな品質文書を管理できる「DocCompliance」(アイルランドのQUMAS)などが好調だ。

 新たに取り扱いを始めた理学機器も、この分野の国際規制および海外査察への対応を考慮したユーザーニーズをとらえたものだという。具体的には、独プロジェクトメステクニックの多検体型の動的水蒸気吸着測定装置「SPSシリーズ」とカイザー社の専用ラマンプローブ、米サーモフィッシャーサイエンティフィックの携帯型ラマン分光分析装置「TruScan」などを扱い始めている。すでに専任のサポート部隊も組織しており、今年度中にはデモや評価分析を行うことができるラボ施設も開設する予定。

 一方、新規ビジネスへの取り組みでは、製薬業の研究開発領域の未開拓分野をさらに探索するほか、研究開発以外の領域を含む潜在市場の見きわめ、医療などの他業種への広がりなども考慮していく。

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<関連リンク>:

CTCラボラトリーシステムズ(トップページ)
http://www.ctcls.co.jp


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