パーキンエルマーがELNでケムアクソンのJChemをサポート

他システムとの連携促進、国内での協業もとに

 2012.08.29−パーキンエルマーは、電子実験ノートブック(ELN)「E-Notebook」の標準オプションとして、ハンガリーのケムアクソン社が開発した化学構造検索エンジン「JChemカートリッジ」をサポートする。日本国内で両者を組み合わせた導入実績が多いことから、開発元として標準でサポートすることを決めたもの。ELNは主に製薬産業の研究開発で利用されるが、化学や生物、分析部門など社内の各部署との連携、外部機関への委託研究などの際に、コラボレーションのハブとして働く役割が期待されている。今回のJChemのサポートを皮切りに、他システムとの連携をさらに推進していく考えだ。

 「E-Notebook」は、日本のELN市場で最大の導入実績を誇るが、ユーザーである製薬企業は化合物管理のプラットホームにJChemを採用している場合が多いという。日本ではケムアクソンの代理店をパトコアが務めており、ケムアクソンのソフトを利用して化合物登録システムや法規制物質判定システムを製品化し、「E-Notebook」と組み合わせて提供している。今回のJChem対応機能が完成すれば、導入プロジェクトにおけるシステム統合のための期間と費用が大幅に減少すると期待される。

 「JChemカートリッジ」は、オラクルデータベースのネイティブ環境で化学構造および反応検索を行うためのケミストリーエンジン。「E-Notebook」に組み込まれたパーキンエルマーのケミストリーエンジンと置き換えて使うかたちになる。構造式や反応式の作図にはパーキンエルマーのChemDrawを使用でき、化合物はChemDrawのCDXフォーマットで管理される。変換なしでJChemからCDXフォーマットを扱うことができるようになっている。

 国内では、パーキンエルマーの日本法人とパトコアとの協業に基づき、「E-Notebook」とパトコアの法規制物質判定システム「CRAIS Checker」、試薬管理システム「CRAIS Reagent」との連携モジュールを用意する。化合物登録システム「CRAIS Registration」向けのモジュールも開発する予定。

 提供時期としては、年内をめどに開発が進んでいるもようである。

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<関連リンク>:

パーキンエルマー(インフォマティクス事業のトップページ)
http://www.cambridgesoft.com/

パトコア(ChemAxon日本語サイト)
http://www.chemaxon.jp/


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