アクセルリスが電子実験ノートブック最新版6.7をリリース

実用機能向上で導入実績拡大、次世代スプレッドシートなど統合

 2012.10.11−アクセルリスは、電子実験ノートブック(ELN)「Accelrys Electornic Lab Notebook」(旧名称・Symyx Notebook by Accelrys)の最新バージョン6.7を提供開始した。化学情報を含む多様な研究データを処理・分析するためのスプレッドシート機能など有用性が高まっており、とくに研究開発のライフサイクルを改善・加速させるためのプラットホームとして注目されているという。同製品は、機能強化が進んだことで昨年あたりから日本で導入実績が急速に増えている。来年リリースする次期バージョン6.8では、日本で需要の大きい化学系の機能強化が施される予定で、同社ではさらなる拡大を積極的に狙っていく。

 「Accelrys Electornic Lab Notebook」は、合併したシミックス製品をベースにしたものだが、今回製品名も変わり、アクセルリスがその後に買収したベルクエスト製品「SmartLab ELN」(QA/QCラボ向けのGMP対応電子実験ノート)などとの連携も重視され、研究情報管理のためのトータルソリューションの基盤に位置付けられている。

 前バージョンの6.6は2011年2月にリリースされて以降、製剤、管理性とパフォーマンス、操作性、プロセス化学といったテーマで1年間に3回の機能強化が実施された。今回の6.7もファーストリリースは今年6月だが、操作性、生物、製剤と強化されてきており、全体では4回ほどのアップデートが計画されているということだ。

 先行する欧米市場では、薬化学、生物、プロセス化学、製剤などの分野に加え、分析、さらにはGLP/GMP領域へと応用範囲が拡大。同社では、そうした需要に合わせてM&Aも積極的に行い、製品体系を広げてきた。それに対して、日本市場は薬化学の合成部門への導入が活発化している段階だが、数年後には欧米の状況に追随するとみられている。

 さて、バージョン6.7での新機能だが、まずエンドユーザー向けのホームページを作成できるようになった。ウィジェットでカスタマイズすることにより、研究者が日常的に使用する身近な道具とすることができる。例えば、ウィジェットに検索キーを組み込んでおくと、自動的にデータベースを参照し、目当ての構造を含む化合物を対象にした実験データが登録されるとそれを知らせてくれる。また、自分宛てのメッセージボックスや進行中のプロジェクトの一覧などを表示させることも可能。

 さらに、目玉機能の1つがスプレッドシートで、各種の実験データの取り込みや解析、レポート作成を簡単に行うことができる。柔軟性の高いテンプレートを備えており、マイクロプレートベースのクリーニングから動物実験まで幅広いデータが扱える。ジ・エッジ社が開発した次世代スプレッドシート「MorphIT」と統合されており、エクセルに近い操作系でありながら、当該用途ではかなりの威力を発揮するようだ。

 そのほか、21CFRパート11に準拠した電子署名機能、さまざまな実験機器に対応したデータインポート機能、決まった言い回しを登録しておいてノートへの入力を助けるクイックテキスト機能(日本語にも対応)、Pipeline Pilot からELNデータベースを検索・閲覧できるタブサーチ機能−などが追加あるいは強化された。

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<関連リンク>:

アクセルリス(日本法人トップページ)
http://accelrys.co.jp/

アクセルリス(ELN製品情報ページ日本語)
http://accelrys.co.jp/products/eln/index.html

アクセルリス(同英語ページ)
http://accelrys.com/products/eln/


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