米CASの化学物質登録数が7,000万件に到達

T型カルシウムチャンネル拮抗剤、韓国特許から収録

 2012.12.14−米ケミカルアブストラクツサービス(CAS)は、世界最大の化学物質データベース「CAS REGISTRY」に登録された物質が7,000万件を突破したと発表した。この物質は韓国特許庁(KIPO)に出願された特許に記載されていたもの。6,000万件を達成してからわずか18ヵ月で、主にアジア地域での化学研究が加速していることを反映したものだという。

 7,000万件目の物質は、『N-[[5-(2-methylpropyl)-1-phenyl-1H-pyrazol-3-yl]methyl]- 4-[3-(trifluoromethyl)benzoyl]-1-piperazineacetamide』で、CAS番号「1411769-41-9」が与えられた。T型カルシウムチャンネル拮抗剤としての可能性を持つ化合物であり、韓国科学技術研究院(KIST)が発見したもの。KIPOが公開した特許に記載されているピラゾリルピペラジン系化合物の一つで、てんかん、パーキンソン病、認知症などに対する薬効が期待されているようだ。

 今年、CASが収録した化学特許の63%がアジア発であり、6,000万件目の物質だった「1298016-92-8」(CAS番号)も中国の特許に含まれていた化合物だった。

 近年では、新規物質は特許からの登録が中心になっており、今年もその比率は70%以上に及ぶ。CASでは、世界63機関の発行する特許を調査しており、常に最新の物質情報をカバーしている。「CAS REGISTRY」の検索は、「SciFinder」や「STN」といったサービスを通して行うことが可能。国内では化学情報協会(JAICI)が総代理店を務めている。

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<関連リンク>:

CAS(CAS REGISTRY 日本語製品情報ページ)
http://www.cas-japan.jp/content/chemical-substances.html

化学情報協会(トップページ)
http://www.jaici.or.jp/

CCSnews(6,000万件目の物質登録時のニュース)
http://homepage2.nifty.com/ccsnews2/2011/2q/2011_2Qcasregistry60m.htm

CCSnews(5,000万件目の物質登録時のニュース)
http://homepage2.nifty.com/ccsnews2/2009/3q/2009_3Qcasregistry50m.htm

CCSnews(4,000万件目の物質登録時のニュース)
http://homepage2.nifty.com/ccsnews2/2008/4q/2008_4Qjaicicasreg100msub.htm


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