ニチイ学館と日本マイクロソフトが医療機関向け事業で提携

経営支援・医療支援など、新領域へサービス拡大

 2012.10.03−ニチイ学館と日本マイクロソフトは1日、医療機関向けの事業で提携し、両者の強みを合体させたソリューションを順次開発・提供していくことで合意したと発表した。病院経営の健全化や医療従事者への支援、地域医療の促進などを狙いとしたもので、ニチイ学館では今回の協業によって2016年度までに累計75億円の売り上げ貢献を期待している。

 ニチイ学館は、病院での診療受付窓口や診療報酬請求業務の受託サービスで国内シェア55%を持つという企業で、在宅系介護/居住系介護のヘルスケアサービス、また医療事務や訪問ヘルパーなどの人材育成を行う教育事業なども展開している。

 今回の日本マイクロソフトとの提携は、医療機関向けサービスを新領域へ拡大させることを狙ったもの。具体的には、病院の経営データを見える化し、データ分析とその分析結果に基づいた業務プロセスの適正化などを提供する「経営支援サービス」、医師や看護師の業務負担を軽減し、コミュニケーションを活性化させる「診療支援サービス」、医療機関・介護施設・利用者宅間の情報連携や、施設間連携を専門とした地域連携コーディネーターの育成などを行う「地域連携サービス」−の3つ。それぞれのソリューションには日本マイクロソフトのソフト・サービスを採用し、営業やマーケティング活動は共同で実施する。

 また今回、新製品の第1弾として、日本マイクロソフトの「Kinect for Windows」を利用した手術室向け非接触型画像操作システム「Opect」を発売した。手術中に執刀医が滅菌器具を付けたままジェスチャーで検査画像を閲覧し参照することができる。すでに東京女子医科大学でテスト的に使われており、好評だという。価格は49万8,000円。「Kinect」自体はゲーム機をジェスチャー操作で操るための入力デバイスであり、最近では幅広い用途で応用が図られているが、手術室で用いるようなアプリケーションは世界でも初めてになる。

 さらに、「経営支援サービス」領域の具体的な製品として、クラウド型グループウエア「メディクラウド」を12月下旬から提供開始する。Windows AzureとOffice365を基盤に医療機関に特化したサービスで、さまざまな専門職種が病院内外と連携し、簡単に情報共有を行うことが可能。初期費用31万5,000円、管理費用月額1万500円からで提供する予定だ。

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<関連リンク>:

ニチイ学館(トップページ)
http://www.nichiigakkan.co.jp/

日本マイクロソフト(トップページ)
http://www.microsoft.com/japan/

ニチイ学館(Opect製品紹介ページ)
http://www.nichiiweb.jp/medical/category/hospital/opect.html


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