日本マイクロソフトが「新Office」発売

Windows 8に最適化、マルチデバイス環境で新しい利用法提案

 2013.02.08−日本マイクロソフトは6日、Officeの最新バージョンを7日から発売すると発表した。Windows 8に最適化され、タブレット端末やスマートフォンを含めたマルチデバイス環境に対応する新しい利用法を実現したことが特徴。発表に際し、樋口泰行社長は「Windows 8と今回の新Officeで両輪が揃った。春・夏商戦に向けて国内のPC市場を盛り上げ、日本経済の成長に貢献したい」と気勢をあげた。店頭パッケージが2万9,800円からの価格で発売されるほか、14社のハードベンダーから170機種のプリインストールPCが順次提供開始される。

 新OfficeはWindows 8との組み合わせで最大の力を発揮できるように設計されており、従来のキーボードやマウスだけでなく、タッチ操作やペン操作でもスムーズに利用することが可能。タブレットやスマートフォンなど、どのデバイスで使用しても、それぞれにマッチした作業環境に切り替わるほか、作業途中にデバイスを交換して作業を続けることも可能である。

 また、クラウド対応が前提となっており、デフォルトでネットワークストレージのSkyDriveが統合されている。このため、複数人でドキュメントを共有し、共同作業することも簡単に行える。クラウドに保存されたファイルは、実際にはローカルにもキャッシュされており、ネットワークに接続されていない場合はキャッシュからファイルが開くようになっている。このため、ユーザーは接続を意識せずに作業を行うことが可能。接続が回復すると、自動的にクラウド上のファイルと同期する設定になっている。

 さらに、Word/Excel/PowerPointなどの各ソフトの高機能性を、初心者でも自由に活用できるように工夫されていることも大きな特徴。プロ仕様のマルチメディアプレゼンテーションを簡単に作成することができるようになった。

 当日のデモで紹介された機能としては、まず姓・名・カナを別々のセルに入力した名簿を作成したとき、新しい列をつくってそこに氏名とカナをすべて入力しようと思う場合、以前のExcelでは熟練者は関数を使って各セルの文字列を統合できるが、初心者は新しく文字列を打ち込みなおすしかなかった。しかし、Excel 2013では最初の行に姓名カナを打ち込んだあと、2行目に同様の打ち込み操作をすると、ソフトが自動的判断して以下のセルをすべて同じパターンで埋めてくれる。(写真参照)

 Word 2013では、タブレットなどでタッチ操作する場合、タッチモードに切り替えると、アイコンなどが大きく表示され、指で押しやすくなる。また、文字の色を変更したい場合でも、カラーパレットが大きくなるので、タッチ操作にストレスを感じないという。

 OneNote 2013では、画面を左から右へなぞるという操作をすると、マウスの場合は文字列の選択、タッチの場合は画面のスクロール、ペンの場合はドローイングと、自動的に判別して切り替わる。

 そのほか、新Officeはハードウエアアクセラレーションの活用で快適に動作することに加え、電池寿命の節約も考慮しているという。これまでのOfficeでは何も作業をしていないときはカーソルが点滅していたが、実はそれに電池を消費していたという。新Officeではカーソルの点滅を停止させた。

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 なお、新Officeのパッケージ構成だが、「Office Personal 2013」(Word、Excel、Outlookを含む)が参考価格2万9,800円、「Office Home and Business 2013」(Word、Excel、PowerPoint、OneNote、Outlook)が3万4,800円、「Office Professioal 2013」(Word、Excel、PowerPoint、OneNote、Outlook、Access、Publisher)が5万9,800円、「Office Professioal Academic 2013」が2万8,381円となっている。

 このほかに、単品パッケージとして、「Publisher 2013」(通常版1万4,800円、アカデミック版1万円)、「Project 2013」(通常版7万8,459円)、「Project Professional 2013」(通常版13万2,099円、アカデミック版2万3,940円)、「Visio Standard 2013」(通常版3万8,159円、アカデミック版1万2,000円)、「Visio Professional 2013」(通常版7万2,239円、アカデミック版2万790円)が用意されている。

 また、法人向けの「Office Standard 2013」と「Office Professional Plus 2013」はすでに昨年12月からライセンス提供が開始されている。インターネット経由で使用する「Office 365 ProPlus」「Office 365 Small Business」「Office 365 Midsize Business」「Office 365 Enterprise」は2月27日から提供開始される。

 なお、「Office 365 Home Premium」は日本では提供されないが、「市場調査の結果、日本の消費者はPCと一緒にOfficeを買いたい人がほとんど。プリインストールを重視しようと判断した」と説明している。




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<関連リンク>:

日本マイクロソフト(トップページ)
http://www.microsoft.com/japan/

日本マイクロソフト(Office製品情報ページ)
http://office.microsoft.com/ja-JP

日本マイクロソフト(新Officeキャンペーン情報)
http://www.microsoft.com/ja-jp/office/2013/home/default.aspx


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