日本マイクロソフトが自社ブランドのタブレット端末

Windows RTを採用、特別仕様のオフィス内蔵

 2013.03.05−日本マイクロソフトは1日、自社ブランドのタブレット端末「Surface RT」を15日から発売すると発表した。米国では昨年10月にリリースされた製品で、日本市場への投入が待たれていた。OSにWindows RTを採用したタブレット端末で、カバー兼用のキーボードを装着するとパソコンのように利用することが可能。ハード的には欧米の製品と同等だが、日本向けの特別仕様となっている部分もあり、市場からの反響が注目される。

 発表会に出席した同社の樋口泰行社長は、「マイクロソフトは長年ソフト専業で、ハードベンダーと協力して市場をつくりあげてきたが、その基本方針を堅持しつつも、ハードとソフトを1社でまとめてスピード感を出す必要性も生じている」としたうえで、今回の製品をタブレット市場自体を拡大させる起爆剤にしたいと強調した。

 競合に関する質問には、「市場に250機種以上のWindows 8 関連マシンのバリエーションのごく一部を占めるにすぎず、パートナーとの関係に変化はないと思う。そもそも、現在のタブレット市場はウィンドウズ陣営対その他の陣営が争う構図であり、ウィンドウズ陣営内で競争する段階にはない。まずは、タブレット市場自体のパイを大きくしないといけない」と答えた。

 さて、今回の「Surface RT」だが、基本スペックはNVIDIA Tegra3 クアッドコア、2ギガバイトRAM、10.6インチ(1366×768ピクセル)ワイドディスプレイ搭載、重量675グラム、最大8時間のバッテリー駆動が可能なタブレット端末。シリコンディスクの記憶容量が32ギガバイトのモデルが4万9,800円、64ギガバイトモデルは5万7,800円となっている。

 マグネットで着脱できるキーボード兼用カバーは、厚さ3ミリの感圧式キーボードを備えた「タッチカバー」が9,980円(白、青、黒の3色)、厚さ6ミリで打鍵感のあるキーを採用した「タイプカバー」は1万980円(黒のみ)。このカバーを装着することで、通常のPCのように利用できることが大きな特徴となっている。

 OSはWindows RTであり、見た目や操作法はWindows 8とほとんど同じ。ただ、通常のWindows向けソフトをインストールすることはできず、使用できるのは最初から入っているブラウザーやメールソフト、オフィスソフトのほかでは、Windowsストアから提供されるアプリに限られる。ただ、このオフィスソフトが日本だけの特別仕様であり、ワード、エクセルにパワーポイント、ワンノートも入っており、商用利用も可能なライセンスとなっている。つまり、諸外国向けの「Surface RT」についているオフィスでは、仕事の文書を家で編集するなどの用途に使用することはできないのだという。

 15日から国内1,000以上の販売店を通して販売(マイクロソフトのネット直販も行われる)されるが、発表会のゲストに招かれたビックカメラ、ヤマダ電機、ヨドバシカメラの幹部は、「待ちに待った商品」「爆発的にヒットしたWindows95以上の期待がある」「スタイリッシュで完成度が高い」などと賛辞を述べ、「店頭で映える製品だ」と口をそろえた。

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<関連リンク>:

日本マイクロソフト(Surface製品情報ページ)
http://www.microsoft.com/japan/surface/


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