CCS特集2013年夏:富士通
クラウド武器に積極展開へ、トータルサポート強み
2013.06.26−富士通は、クラウドサービスを中心にCCS事業の発展を図る。信頼性の高いデータセンターに企業の情報資産を任せようという考え方が広がり、クラウド上で電子実験ノート(ELN)を運用する第1号ユーザーの獲得に成功した。今後は、解析・シミュレーション用途でもクラウド対応を強化していく。
同社は幅広いクラウドサービスを提供しているが、CCS関連では科学技術分野向けの「TCクラウド」が基盤となる。パーキンエルマー製ELNソリューションでは、すでに大手製薬業向けにオンプレミスで多くの導入実績を築いているが、今年は中堅製薬や化学企業向けのアプローチを強める方針。とくに、導入から運用までをトータルサポートできる強みを生かし、クラウド対応を武器に積極的に提案を進めていく。
一方、材料モデリング向けの自社パッケージ「SCIGRESS」もTCクラウドの高速な計算資源を利用し、大規模シミュレーションを実行することが可能。SCIGRESSに内蔵されている分子軌道法/分子動力学法ソフトに加え、外部の計算エンジンもTCクラウドで稼働するように準備しており、PHASE、GAMESS、LAMMPSといったアカデミックコードのほか、国内でアフィニティサイエンスが輸入販売しているWIEN2kとSIESTAも利用することができる。
同社では、アプリケーションを含めたサポートが重要だとしており、受託計算やコンサルティングを含めて積極的に取り組む方針である。
また、分析ラボデータの統合管理を中心としたACD/Labs製品は、分析器メーカーとの連携強化による新たな販売チャンネルづくりを進めていく。