CCS特集2013年夏:日立ソリューションズ

医療・健康領域へ事業拡大、NGS解析でも高評価

 2013.06.26−日立ソリューションズは、ライフサイエンス研究のための遺伝子解析ソフトで長年の実績を持つほか、最近ではそうした技術を生かして医療・健康領域のサービスにまで事業領域を広げてきている。

 具体的に実績があがっているのがクラウドサービスの「匿名バンク」。もともとは、遺伝子タイプなどの個人情報を個人が特定できない状態(匿名化)で管理するニーズから生まれたソフトで、現在では顧客の健康関連データを運用する企業や健康保険組合、医療機関での導入が多い。

 また、従業員健康管理クラウドサービスでは、健康診断結果や人事情報を匿名化による適切なかたちで一元的に管理することが可能。健康指導の対象者の抽出や面談日程の調整など、事業所に常駐する産業医や保健師の負担を軽減することができる。

 さらに、解析ノウハウを利用した遺伝子検査では、骨粗しょう症の体質リスク診断サービスを昨年11月から提供開始している。疾患のかかりやすさを判定するだけでなく、体格・体力・食事などを見直すことで効果的に予防できる遺伝子を調べることができ、医師による生活習慣改善の予防指導に役立つことも特徴となっている。

 一方、研究向けのソフトでは、米ジーンコードのDNAシーケンスアセンブルソフト「SEQUENCHER」の評価が高い。次世代シーケンサー(NGS)に対応していることが強みで、同社では他のソフトを組み合わせたNGS向け解析システム構築にも乗り出していく方針である。

 自社開発パッケージでは、遺伝子情報の相同性検索により生物種の推定・判定を行う「DNASIS Taxon」が注目されている。


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