アクセルリスとJCDBが化学物質法規制チェックで共同事業

電子実験ノートと法規制データベースを連携、材料研究向けに提供

 2013.09.04−アクセルリスは3日、日本ケミカルデータベース(JCDB)と提携し、材料開発の研究初期段階で化学物質の法規制チェックを確実に行う新サービス「Accelrys Notebook plus Compliance」を提供開始したと発表した。研究過程で扱う化学物質の法規制面での問題を早い段階で発見することにより、時間の浪費やコスト損失を未然に防ぎ、化学物質の適正な管理を行うことを可能にする。

 材料研究においては、トライアルアンドエラーで何度も繰り返し試験を行いながら、顧客が求める材料の配合にたどり着いた段階で各種の法規制委に触れないかをチェックする場合が多い。しかし、ここで問題があれば、最初から研究をやり直すことにもなりかねず、結果的に開発期間が長期化したり、コストが増大したりといった問題が発生してしまう。

 今回のソリューションは、開発の初期段階から使用する材料をトレースすることで、研究者に負担をかけずに法規制チェックを行うことを可能にしたもの。具体的には、アクセルリスの電子実験ノートブック「Accerlys Notebook」に材料情報や研究プロセスの情報などが入力されると、その背後でJCDBの化学物質法規制データベース「ezADVANCE」と照合が行われ、法規制に該当するかどうかが判定される。

 電子実験ノートは、研究組織間の情報共有の基盤となり、重複した実験の排除など、研究開発のスピードアップとコスト削減を実現できること、実験データを一元管理し、特許申請や知的財産の保護に役立つことなどから注目されているソリューション。もともとは製薬業向けのシステムだったが、最近では化学・材料企業にもユーザーが広がっている。

 とくに国内では、合成実験にともなう法規制チェックで製薬業への導入が加速した実績があり、材料研究で同様のニーズを狙おうという今回の両社の試みが成功するか注目される。

 なお、今回の「Accelrys Notebook plus Compliance」は両社が共同で販売活動を展開し、初年度に10社への導入を見込んでいる。価格は利用者数によって異なるが、電子実験ノートと法規制データベース込みで年間ライセンス300万円から。

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<関連リンク>:

アクセルリス(日本法人トップページ)
http://accelrys.co.jp/

アクセルリス(電子実験ノートウェブセミナー案内ページ)
http://accelrys.co.jp/events/webinars/eln/index.php

日本ケミカルデータベース(トップページ)
http://www.jcdb.co.jp/


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