富士通が「SCIGRESS」の最新バージョン2.5をリリース

計算エンジン連携機能など強化、最新版への対応も

 2013.07.31−富士通はこのほど、計算化学統合プラットホーム「SCIGRESS」の最新バージョン2.5をリリースした。これは、金属・セラミックス、触媒、半導体・薄膜、高分子・液晶、電池材料などを対象にした材料設計支援システムで、幅広い計算エンジンをサポートしていることが特徴。今回の最新版では、オリジナルの分子動力学法(MD)および分子軌道法(MO)の計算エンジンの機能強化、外部計算エンジンとの連携機能の拡張などがポイントとなっている。

 今回のバージョンアップでは、主に計算エンジンまわりの強化が図られた。まずMDについては、新規のポテンシャル関数型として、二体ポテンシャル関数1種類、三体ポテンシャル関数3種類、多体ポテンシャル関数5種類の合計9種類が追加された。また、ポテンシャルパラメーターライブラリーも新しく17種類が追加で装備されている。

 半経験的分子軌道法エンジン「MO-G」に関しては、PM6、RM1、PDDG/PM3、PDDG/MNDOの各手法のMM補正パラメーターの最適化、およびCGDMSでのSCF計算の収束性向上が図られている。

 一方、外部計算エンジンへの対応では、量子化学計算ソフト「GAMESS」との連携機能が豊富になり、これまでの構造最適化計算や全エネルギー計算に加えて、振動計算と反応計算が可能になった。SCIGRESSでモデリングした系に対し、GAMESSでの計算実行・解析までが一貫して行えるようになる。

 さらに、文部科学省プロジェクトで開発された第一原理計算ソフト「PHASE」のインターフェース機能が改良され、データごとに計算条件を保持できるようになったほか、量子化学計算ソフト「ADF」の最新版「ADF2013」への対応、配座探索ソフト「CONFLEX」の最新版「CONFLEX7」への対応を行った。

 そのほか、結晶構造で多用されるCIFファイルフォーマットに対するインポート/エクスポート機能の改善、化学スプレッドシート機能の操作性の改良、計算サーバーへのジョブ投入で汎用ジョブスケジューラー(PBSとLSF)に対応したことなどがあげられる。

 なお、同社では8月末から9月にかけて最新バージョンを体験できる無料ワークショップを東京・大阪・名古屋で開催する。





******

<関連リンク>:

富士通(SCIGRESS 製品情報ページ)
http://jp.fujitsu.com/solutions/hpc/app/scigress/

富士通(SCIGRESS 無料体験ワークショップ)
https://seminar.jp.fujitsu.com/public/seminar/view/1353
https://seminar.jp.fujitsu.com/public/seminar/view/1355
https://seminar.jp.fujitsu.com/public/seminar/view/1359


ニュースファイルのトップに戻る