米シミュレーションズプラスが膜透過試験解析の新ソフト

細胞内の透過メカニズムをモデル化、Caco-2試験などのばらつきの原因解明も

 2013.08.03−米シミュレーションズプラスは、膜透過試験の解析を支援する新しいソフトウエア「MembranePlus」を開発した。PAMPA、Caco-2、MDCKなどに対応しており、細胞内および細胞間の各種透過メカニズムのモデルを搭載している。新製品として、今秋に発売が予定されている。

 膜透過試験は、実験条件によって結果にかなり差が出ることが知られており、「26の試験機関で同じ化合物のCaco-2試験を行ったところ、データがすべてばらばらだったという例もある。今回のソフトを使えば、ミクロの世界で何が起きているのか、現象を明らかにすることができる」(同社のウォルター・ウォルトスCEO)という。

 「MembranePlus」には、細胞内の受動拡散、細胞間の受動拡散、トランスポーターなどによるキャリア媒介流入/流出、代謝酵素の影響、アルブミンの結合、細胞膜・細胞内区画における蓄積−などのメカニズムが組み込まれている。

 具体的には、化合物の物性データ(分子量やlogP、pKaなど)、酵素やトランスポーターのパラメーター(Km、Vmaxなど)を入力し、実験条件を設定したうえでシミュレーションを走らせる。入力データは実験値がない場合でも、同社の他のソフトウエアを使って予測することができる。

 解析結果は、異なった細胞区画内での薬物濃度を評価したり、インビトロ試験で得られたKmやVmaxの値をインビボ試験のトランスポーター効果に外挿したり、測定のばらつきの原因を探ったりすることに役立つ。

 なお、同社の代理店は国内ではノーザンサイエンスコンサルティング(NSC)が務めている。

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<関連リンク>:

米シミュレーションズプラス(トップページ)
http://www.simulations-plus.com

ノーザンサイエンスコンサルティング(トップページ)
http://www.northernsc.co.jp


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