STSが米シャリジェンス製品を発売

異種データソース横断し構造検索、Windows 8タッチ対応作図ソフトも

 2013.07.05−サイエンス・テクノロジー・システムズ(STS)は、米シャリジェンス(Scilligence、本社・マサチューセッツ州、トニー・ユアン社長)と販売代理店契約を締結し、コアとなる化合物検索技術を生かしたユニークな製品群を発売した。米マイクロソフトのライフサイエンスチームと連携しており、マイクロソフト製品との融合が特徴となっている。

 シャリジェンスの設立は2010年8月。メガファーマ出身の技術者らが創業したベンダーだという。米国の大手製薬・バイオテク企業を中心に世界で40社以上の顧客を持ち、エンドユーザー数は数千〜1万人に及ぶとしている。

 とくに、同社が強みとしているのが、PDFファイルや画像イメージなどに含まれる化合物名や構造式を検索し、読み取って認識するOCR機能。具体的な製品は「Chrawler」と呼ばれ、マイクロソフトのシェアポイントサーバー、アウトルックeメールサーバー、ドキュメンタム、さらに各種の電子実験ノート、化合物データベース、ネットワークドライブに対し、横断的な構造検索を行うことが可能。

 ウェブインターフェースで手軽に使うことができるが、シェアポイントにこの機能を埋め込むための「Chem4SharePoint」も用意している。こちらの場合、シェアポイントのすべてのコンテンツ上でダイレクトに構造式の作図と編集が可能。化合物IDやIUPAC名のテキスト上にマウスを置くだけで構造式を表示する機能も組み込まれている。

 用途としては、データベースやファイルサーバー上にあるあらゆるドキュメント内の構造情報を検索するほか、特許やMSDSなどPDFしか存在しない資料の中から情報を探すことにも役立つ。また米国では、退職した研究者のPC内にある構造式を含むファイルをスキャンし、どんな物質を合成していたか何を研究していたかなどを探る目的でも使用されているという。

 一方、構造式作図ソフトとしてタブレットに対応した「TouchMol」も製品化している。Windows 8 のタッチ操作に対応しているほか、ワード/エクセル/パワーポイント/ワンノートのアドインとして組み込むことも可能。

 そのほか、ウェブベースの電子実験ノート「Scilligence ELN」は、オンプレミスとクラウドの両方の環境に対応し、Windows、Mac、Linuxのほか、iPad、Android、Chromebookも利用することができる。米国では、CRO(臨床開発受託企業)向けにも実績があるようだ。

 STSでは、マイクロソフトのSQLサーバー向けのケミストリーカートリッジを含む開発ツール「DevSuite」を利用して、システム構築をともなったかたちで、国内の医薬・化学企業や大学・官公庁向けに提案活動を進めていく。

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<関連リンク>:

サイエンス・テクノロジー・システムズ(トップページ)
http://www.st-systems.co.jp/

サイエンス・テクノロジー・システムズ(シャリジェンス製品紹介ページ)
http://www.st-systems.co.jp/Products/scilligence.html

米シャリジェンス(トップページ)
http://www.scilligence.com/


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