CCS特集2013年冬:日本ケミカルデータベース
法規制チェック機能を搭載、クラウド事業での協業も
2013.12.05−日本ケミカルデータベース(JCDB)は、化学物質の法規制情報をベースに、国内外の多様化する化学物質管理や、化学品に関わるコンプライアンス活動に対するソリューション提供を進めている。とくに、他ベンダーとの協業を通じて相次ぎ新事業に乗り出しており、来年に向けてその戦略が注目される。
具体的には、今年の秋からアクセルリスと協業し、アクセルリスの電子実験ノートブック(ELN)に法規制チェック機能を組み込んだ新ソリューションの販売を共同で行っている。主に化学・材料メーカーを対象にしたもので、ELNとしては化学分野での実績が多い「ConturELN」との組み合わせがメインになる。
実験計画を立て、使用する化学物質をELNに記載した時点でチェック機能が働き、該当する規制があった場合はその法規名や区分、適用条件などを確認できる。開発の最終段階で法規制化合物が含まれていたことがわかると、それまでの研究がやり直しになり、開発期間の遅れやコスト増加につながる恐れがある。このため、研究の初期段階でチェックする今回のソリューションの有用性は高いということだ。
一方、この12月からは富士通九州システムズ(FJQS)と共同でクラウド型SDS(化学物質の表示および安全データシート)作成支援ツール「ezSDS」の提供を開始した。JIS規格に準拠したフォーマットでSDS原案およびラベル要素を自動作成することが可能。製品評価技術基盤機構(NITE)から公表されている2,200物質のGHS分類データ、日本国内の30法規制データ、約3万の物質データを搭載しており、とくに時間のかかるGHS分類を自動類推するとともに、法規制の該非を自動的に判定する機能を持っている。
費用も手頃で、月額6万3,000円で5件までSDS作成ができる。追加作成は1件当たり1万2,600円。エクセル形式で出力されるので編集も容易である。