パトコアの法規制物質判定ソフトをピストイアアライアンスが採用

各国法規対応の海外版を12月に製品化、全世界で普及へ

 2013.10.26−パトコアとハンガリーのケムアクソン社が提供している法規制物質判定システムが、欧米の大手製薬会社などで組織されるピストイアアライアンス(Pistoia alliance)の規制薬物コンプライアンス対応のためのソリューションに選定された。今年の12月には同アライアンスの要求仕様に対応した製品を準備し、全世界で販売開始する。最近、製薬会社は研究の過程で麻薬や向精神薬に該当する化合物を扱うことに神経をとがらせており、パトコアが開発した「CRAIS Checker」(CRAISチェッカー)は国内ですでに多くの実績を持っている。

 ピストイアアライアンスは2009年に発足した団体。製薬企業同士の競争に直接関係しないビジネスプロセスの共用性を高める目的で、データの互換性を担保するようなデータ形式の標準化やソフトウエアの仕様を提唱したり、それに基づくツールを開発依頼したりするような活動を行っている。

 今回は、その新しいプロジェクトであるCSCS(Controlled Substance Compliance Service 、規制薬物に関する法令順守)が今年の4月に提示したリクエスト・フォー・プロポーザル(要求する仕様をまとめた提案依頼書)に対応したもの。パトコアとケムアクソンの共同提案が採用された。ほかに、英サイテグリティが行った提案も同じく採用されている。

 海外の製薬企業は、自前で法規制化合物をチェックするシステムを構築しているケースが多かったが、研究開発がグローバルに行われている今、自国以外の法規制に対応することは、最新データを集めて更新する作業の負担から考えても困難であるとされたことがきっかけになったようだ。

 パトコアの「CRAISチェッカー」は化学構造式をベースに法規制化合物に当たるかどうかを判定するソフトで、国内で多くの導入実績がある。現在は国内法規を広く網羅(米国規制物質法(CSA)には対応ずみ)しているが、ソフトウエアとしてはピストイアの要求仕様をほぼ満たしているため、海外の法規データを加えることで速やかに対応可能であることがわかったという。また、プラットホームにはケムアクソンのケムインフォマティクスシステムを採用しており、両社はそれぞれのマーケットで互いの製品を販売し合う協力関係にあった。

 パトコアは、12月を目標にピストイア仕様に対応した海外バージョンの「CRAISチェッカー」を製品化する計画。具体的には、米、カナダ、英、独、仏、伊、蘭、ベルギー、デンマーク、アイルランド、スウェーデン、スイス、国連−の法規制に対応させる。まずは麻薬などの危険な薬物が対象となっており、国内バージョンではカバーしている毒物・劇物などは今後の機能強化で要求項目に入ってくると考えられるという。

 海外での販売はケムアクソンが担当するが、同社では「CRAISチェッカー」の世界での普及に弾みがつくと、大きな期待をかけている。

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<関連リンク>:

パトコア(トップページ)
http://www.patcore.com/

パトコア(CRAISチェッカー製品情報ページ)
http://patcore.com/jp/product/crais_checker/

ケムアクソン(トップページ)
http://www.chemaxon.com/

ピストイアアライアンス(トップページ)
http://www.pistoiaalliance.org/

英サイテグリティ(トップページ)
http://www.scitegrity.co.uk/


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