パーキンエルマーのモバイルアプリ 3万本弱がダウンロード

ほぼ毎月更新、中国語と韓国語もサポート

 2013.12.28−パーキンエルマーが今年6月から提供を始めたタブレット端末用アプリのダウンロード実績が明らかになった。アップルのiPad専用で、化学構造式を作図する「ChemDraw for iPad」と、分子の三次元モデルを表示する「Chem3D for iPad」の2種類があるが、最初の25週間で2万8,000本がダウンロードされたという。内訳は、有料のChemDrawが4,100本、あとは無料のChem3Dとなっている。有料のChemDrawでも9ドル99セント(国内では1,000円)と安価であり、数字的には物足りない感がある。まだ認知度が低いためだとみられるが、さらなる普及を期待したい。

 両製品とも、アップルのApp Storeからダウンロードして入手できる。「ChemDraw for iPad」は6月に英語圏でバージョン1.0が公開されたあと、7月に日本語対応のバージョン1.0.1、9月にバージョン1.0.2と1.0.3、10月にバージョン2.0と、ほぼ毎月のペースで更新されてきている。

 タッチ操作で構造式を作図するソフトで、よく練られたユーザーインターフェースを備えている。とくに、「フリック・トゥ・シェア」と呼ばれる機能が売り物で、作図した構造式をフリックすると、任意の研究仲間などにその情報を簡単に送信することが可能。移動中などにひらめいたアイデアをさっと書き留め、それを直ちに研究チームで共有するなどの使い方が想定されている。

 9月版では、ACSジャーナルのスタイルシートに対応し、フォントやボンドの表現などがみやすくなったほか、テキストの入力、さらに作図した構造式を電子メールやドロップボックス(クラウドストレージサービス)で共有することが可能になった。これにより、iPadで書き留めたアイデアをそのままPC上のChemDrawで扱うことができる。10月版のバージョン2.0では最新のiOS7をサポートし、中国語と韓国語にも対応した。

 一方、「Chem3D for iPad」も、6月のバージョン1.0、8月に日本語対応したバージョン1.0.1、さらに9月にバージョン1.0.2と1.0.3、10月にバージョン2.0と、無料ながら同様のペースでアップデートされている。最近の機能強化では、CIFファイル(結晶構造)のサポート、PDB(プロテインデータバンク)のキーワードやIDを使った構造情報の検索と読み込み、ドロップボックスでのSTLファイル(三次元形状)の共有、電子メールでのPDF/PNG/CDXMLファイルの共有などが行われた。STLファイルを使うと、3Dプリンターに分子模型を出力することが可能だ。バージョン2.0は、同様にiOS7をサポート、中国語と韓国語に対応した。

******

<関連リンク>:

パーキンエルマー(インフォマティクス事業のトップページ)
http://japan.cambridgesoft.com/

パーキンエルマー(ChemDraw for iPad 製品紹介ページ)
http://japan.cambridgesoft.com/Ensemble_for_Chemistry/ChemDraw/ChemDrawforiPad/

パーキンエルマー(Chem3D for iPad 製品紹介ページ)
http://japan.cambridgesoft.com/Ensemble_for_Chemistry/ChemBio3D/Chem3DforiPad/

米パーキンエルマー(フリック・トゥ・シェアに関する説明ページ)
http://www.cambridgesoft.com/land/flick-to-share.aspx


ニュースファイルのトップに戻る