日本オラクルがトランスレーショナル医療の支援ソリューション
医療データを創薬・臨床開発に利用、幅広いデータモデルに対応
2014.02.07−日本オラクルは6日、トランスレーショナル医療を支援する「Oracle Health Sciences Translational Research Center 3.0」(オラクルヘルスサイエンス・トランスレーショナルリサーチセンター)を提供開始したと発表した。臨床における医療情報の二次利用を促進し、個別化された医療の実施や医薬品開発につなげるプロセスに役立てることができる。
同社は、産業別ソリューションの一環として、「オラクルヘルスサイエンス」の名称で、電子化された臨床試験の実施、臨床データウェアハウス、安全基準と市販後医薬品の安全性監視、医療機関同士の患者情報の交換、さらに各種のデータ分析やビジネス分析など、ライフサイエンス業界に必要な機能を広く提供している。
今回の「トランスレーショナルリサーチセンター」もその一部で、創薬・臨床開発・トランスレーショナル医療のためのバイオマーカー探索を目的としたもの。とくに、医療機関や研究機関の持つ医療データの二次利用を発展させ、個別化医療の可能性を最大限に引き出すため、今回の最新版では幅広いオミクス(ゲノミクス、トランスクリプトミクス、プロテオミクス、メタボロミクスなど)および臨床データモデル、患者の分類とレポート作成のための新しいユーザーインターフェースおよびワークフロー、遺伝子変異部分の発見を容易にする高度な分析機能、ユーザー権限に応じた高度なデータアクセスセキュリティ−などの機能を強化した。
具体的には、臨床データモデルに含まれる主要テーブルの数を70以上に倍増させ、問診・治療結果・患者家族の病歴などの属性を追加。オミクスデータモデルも総数で100を超えるテーブルを利用することができるとともに、「COSMIC」や「HGMD」といったがんや遺伝子の突然変異に関するデータベースにも対応させた。
また、より多くのリファレンスゲノムがサポートされており、研究者は患者のゲノムの変化を疾病のライフサイクル全体で特定・追跡・分析することを容易に行える。とくに、ゲノム配列情報のフォーマットであるGVCF形式に対応したことにより、医師は患者向けに配列されたゲノム領域をより簡単に適切な参照対象と比較できるようになった。
さらに、新たに追加されたコラボレーション機能により、ユーザーは患者の分析条件やその他の調査結果を別のユーザーやユーザーグループと共有することが可能。ユーザーインターフェースも改良され、直感的な操作でこれらの機能を利用することができるという。
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<関連リンク>:
日本オラクル(Oracleヘルスサイエンスソリューション紹介ページ)
http://www.oracle.com/jp/industries/health-sciences/overview/index.html