ChemBioDrawからSciFinderへシームレスな連携

米CASとパーキンエルマーが最新版で実現、ワンボタンで検索実行

 2014.06.26−米ケミカルアブストラクツサービス(CAS)とパーキンエルマーは、化学者の日常的な研究ツールとして高いシェアを持つ両社の製品の連携機能を実現させたと発表した。化学構造式作図ソフト「ChemBioDraw」で作成した構造を、オンラインサービスの「SciFinder」に自動的に引き渡して、そのまま検索を実行することが可能。今年の春に行われた日米の化学会で開発版を公開デモンストレーションしたところ、多くの注目を集めたという。

 両製品の連携機能は、6月から出荷開始された最新バージョン「ChemBioDraw Ultra 14」で利用することが可能。「SciFinder」はウェブベースのサービスであるため、自動的に最新のアップデートが適用され、すでに利用可能となっている。

 具体的な連携のイメージだが、ChemBioDrawのツールバーに「SciFinder検索ボタン」が組み込まれており、作図エリアに構造式や反応式を描いて選択すると、そのボタンがアクティブな状態になり、押すだけで検索が実行される。ユーザーがSciFinderにログインしていれば直接そのまま、そうでなければログイン画面にパスワードを入力したあと検索が実行され、検索結果はウェブブラウザー内の通常のSciFinderの画面に表示される。

 検索時には、構造検索であれば部分構造検索か完全一致検索かを、反応検索であれば生成物として検索するか反応物として検索するかを指定することができる。現時点では、ChemBioDrawの作図機能のうち、一部反映されない機能が存在しているが、このあたりは逐次改善される可能性がある。

 検索結果の回答集合を取得したのちは、通常のSciFinderの操作となるため、絞り込みや解析なども自由に行える。ChemBioDrawで作図して最初のクエリーとした構造式も、SciFinder画面にインポートされているが、その構造式をさらに修正したい場合は、SciFinder付属の構造作図ツールを使用しなければならないようだ。

 いずれにしても、ChemBioDrawで描いた構造式で、直接SciFinderを検索できるのは非常に便利で、研究者のストレスを減らし、時間の節約にも効果があると見込まれている。






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<関連リンク>:

化学情報協会(SciFinder 製品紹介ページ)
http://www.jaici.or.jp/SCIFINDER/index.php

パーキンエルマージャパン(ChemBioDraw 製品紹介ページ)
http://japan.cambridgesoft.com/Ensemble_for_Chemistry/ChemBioDraw/Default.aspx


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