CCS特集2014年夏:アフィニティサイエンス

MD/MOの新製品を投入、農薬などへ広がる用途

 2014.06.25−アフィニティサイエンスは、産業界における計算化学の利用が活発化していることに対応し、新製品の市場投入を加速させている。

 具体的には、新たに2種類の計算化学プログラムの販売権を取得した。まず、英国科学技術施設会議(STFC)のデアズベリー研究所で開発された分子動力学法(MD)の「DL-POLY」で、アカデミックコードとしても有名だが、今回は有償版となったバージョン4を販売する。材料系にも生体系にも使える汎用性があり、並列処理にも対応している。

 2つ目は、米キューケムの非経験的分子軌道法(MO)ソフト「Q-Chem」で、最新バージョン4.2を提供開始した。欧米では、Gaussianに入っていない最新手法を使えるということで、こちらを選ぶユーザーもいるという。処理速度が速く、オプションなしで並列処理ができることなどがメリットになっている。

 一方、主力製品であるインテ・リガンド社のファーマコフォア研究用統合プラットホーム「Ligand Scout」は、年内にバージョン4に機能強化される。とくに、アポたん白質からファーマコフォアモデルを作成する機能が注目される。通常は、リガンドが結合した複合体からしかモデルをつくれないが、今回の機能を利用するとリガンド接触表面を計算で求め、ファーマコフォアのポイントを選択、フィーチャーセットを作成し、結合ポーズを用いたモデルの精密化までを自由に行うことができる。

 創薬研究が主な対象だが、最近になって農薬や化粧品の研究者もこうしたインシリコ技術に関心を持つようになってきており、ユーザーの裾野が大きく広がる期待が出てきているという。


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