CCS特集2014年夏:アークスパン

クラウドベースで情報共有、外部機関との連携支援

 2014.06.25−アークスパンは、5月に日本オフィスを開設し、国内市場で本格的に事業活動を開始した。2010年に米国で設立されたばかりの新しいベンダーで、クラウド型の医薬研究開発支援ソリューションを開発・提供している。ソフトのインストールやサーバーの管理も不要であるため、CRO(医薬品開発受託機関)などの外部パートナーと連携した研究を進める際に、情報交換・情報共有のための信頼性の高いインフラとして利用することが可能である。

 同社が提供するクラウドサービス「ArxLab」(アークスラボ)には、電子実験ノートブック(ELN)、実験で扱う各種の化学・生物情報のデータベース登録、試薬管理、アッセイデータ管理などの幅広いソリューションが含まれている。すべてウェブブラウザーで動作するため、CROとのプロジェクトも速やかに立ち上げることができる。実際、いまのユーザーの半分は米国の製薬会社で、残りの半分ほどはその製薬会社の仕事を請け負っている中国のCROだという。

 同社は市場では後発のベンダーであるため、ユーザーがすでに導入している他社システムとの連携も考慮している。製薬会社が社内で別のELNパッケージを利用している場合でも、CROがArxLabで入力したデータを自動的にそのELNに取り込むことが可能。化学データを処理するワークフローツールや構造検索をする際の描画ソフトなども、他社の標準的な製品が利用できるように設計されている。

 同社の日本オフィスでは、デモンストレーションの依頼なども受け付けており、今後人員増も段階的に進める計画だ。クラウド時代の次世代ソリューションとして市場の評価が注目される。


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