CCS特集2014年夏:コンフレックス
高機能化でユーザー層拡大、初級者向けに講習会も
2014.06.25−コンフレックスは、自社開発の配座探索ソフト「CONFLEX」をはじめ、分子軌道計算の「Gaussian」(米ガウシアン)、分子動力学計算の「AMBER」(米カリフォルニア大学)、化学者向けツールの「ChemBioシリーズ」(米パーキンエルマー)など定番のソフトを提供する計算化学の専門ベンダー。最近では、実験研究者の間にも計算化学を利用してみたいというニーズが広がってきており、ていねいなサポートで実績を伸ばしている。
主力のCONFLEXは、今年2月にリビジョンアップを実施した。バージョン7で実装して人気を集めている結晶構造探索機能を高速化するため、マルチコア/マルチノードでの並列処理に対応させた。さらに、配座探索時にユーザー定義パラメーターを追加できる機能も注目されているという。ユニークな原子タイプを含む分子の計算や、Gaussianで得られた計算結果をパラメーターに使用したい場合など、ユーザーが自分でパラメーターを調整したいという要望に応えた。
また、計算科学振興財団が産業界に開放しているFOCUSスパコンで、6月から「Parallel CONFLEX」が使用可能になった。別途ソフトのライセンスを用意しなくても、従量課金で高速な計算環境を利用できるため、ユーザーの裾野が広がると期待される。この利用者に向けた講習会も準備していく。
一方、AMBERは4月にバージョン14をリリース。周辺プログラムを集めた「AMBER Tools」もそれに合わせてバージョン14となった。自由エネルギー計算の強化など多くの機能強化が施されているが、とくにGaussianなどとの連携によるQM/MM計算が充実したという。こちらはUNIX系のコマンド操作が基本になるため、今年は初級編の講習会を開催する予定。