CCS特集2014年夏:富士通九州システムズ

薬物相互作用の予測で実績、各種ガイドライン対応

 2014.06.25−富士通九州システムズ(FJQS)は、薬物相互作用に基づく副作用を予測する「DDIシミュレーター」、代謝などの薬物動態研究に役立つ「ADMEWORKS」「ADMEデータベース」など自社製品が好調。事業体制としては、これらの創薬研究支援システムが、電子カルテなどの医療分野のシステムを中心とするヘルスケアソリューションの枠組みに組み入れられており、将来的には臨床データを研究にフィードバックするトランスレーショナルリサーチの推進にも結び付ける考えだ。

 昨年、医薬品医療機器総合機構(PMDA)に採用されたDDIシミュレーターは、このほど示された薬物相互作用ガイドラインに従い、従来の阻害モデルに加えて、新たに誘導モデルを搭載した。モデルが妥当な場合は、実際の試験をしなくてもシミュレーションによる評価が受け入れられる。これに対応した最新版は、今夏にリリースされる。

 一方、薬物代謝に関する情報をインターネットで提供するADMEデータベースは、サービス開始から8年以上の歴史があるが、初めてのユーザー会を7月25日に開催することが決まった。情報交換したいというユーザーの要望で実現したもので、会場は東京国際フォーラム。

 現在は民間企業の利用が多いため、同社では大学などの教育機関の利用を増やしたい考え。このため、研究室単位で契約できる1IDライセンスを新設し、利用料金の入り口を半額以下に引き下げることにした。

 また、ADMEWORKSについては、ICH M7ガイドライン案ステップ2のAMES変異原性予測モデル利用条件に対応するため、OECDバリデーション原則に準拠させた。この基準は国内にも取り込まれる予定で、今後普及に弾みがつくと期待されている。


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