CCS特集2014年夏:富士通

電子ノートでさらなる実績、材料系は電池など対象

 2014.06.25−富士通は、製薬企業の研究開発を支えるインフォマティクスソリューションでさらなる攻勢をかける。とくに、新薬の治験段階におけるビッグデータ解析をターゲットに、パーキンエルマーのデータ分析ツール「Spotfire」の提供に力を入れる。

 同社は、法令に基づいて医薬品開発・治験業務を適切に管理・効率化するシステム群で高いシェアを有している。具体的には、安全性試験の「LATOX-F」、臨床試験の「DDworks21」、製造販売後調査の「PostMaNet」などがあるが、これらのデータをさまざまな切り口から分析することにより、開発・治験の成功率を大幅に高めることにつながると期待されるという。

 また、主に創薬研究分野の実験データを正確に記録する電子実験ノート(ELN)は、すでに化学合成部門への導入が進んでおり、最近ではバージョンアップに合わせて完全電子化に取り組むユーザーが増えてきた。一連の研究不正疑惑にともなって導入機運が高まっていることもあり、分析機器からのデータ収集を自動化するACD/Labsソリューションと合わせて、今年は新規顧客層に対しても積極的なプロモーションをかける方針。クラウド版ELNに関してもすでに運用実績がある。

 一方、材料開発向けの計算化学システムでは、自社製品の「SCIGRESS」を中心に、電池やパワーデバイス、有機ELなど成長分野の材料設計をターゲットに、計算受託やコンサルティングを含めた多角的な展開を目指す。

 LAMMPS、GAMESS、PHASEなど外部プログラムとの連携も強化し、実験と結びつくような解析事例を増やしていきたいとしている。また、クラウドサービスとの連携もさらに推進していく。


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