CCS特集2014年夏:オープンアイ・サイエンティフィック・ソフトウェア

独自技術で着々と機能強化、ツールキットが充実へ

 2014.06.25−オープンアイ・サイエンティフィック・ソフトウェアは、創薬研究向け分子モデリングソフトを得意とする米国のベンダー。独自に開催している研究講演会「JCUP」や学会発表などを通して知名度が向上し、国内で順調に実績を重ねてきている。とくに、同社の日本法人は販売のための組織ではなく、国内の研究者に同社独自のサイエンスを紹介するとともに、ユーザーニーズを適切に掘り起こすことが使命で、本社の開発チームとユーザーとのコミュニケーションを促進する役割を担っている。

 製品面では、モデリングのためのアプリケーションと、自由度の高いプログラミングライブラリーで構成されるツールキット(TK)の2つに分かれるが、どちらも着実に中身が充実してきている。昨年末にデータベースに基づいてpKa値を予測する新アプリケーション「pKaプロスペクター」が追加されたほか、今年2月のアップデートでも、たん白質とリガンド間の相互作用における水分子の役割を予測するアプリケーション「SZMAP」がTKでもリリースされた。カスタマイズが自由に行えるようになるため、多くのユーザーの関心を集めている。

 また、既存のアプリケーションも、分子構造を最適化する「SZYBKI」の機能強化、化合物の分子形状を高速に比較する「ROCS」に、解析結果を実験研究者が理解しやすい2D表示する機能が追加された。

 同社の製品は、固定ライセンスであれば全製品の使用権が含まれ、計算に使用するコア数にも制限がない。このため、負荷の高い計算にクラウドデータセンターを活用するなどの使い方にも対応しやすく、欧米では実際にそうした事例もあるようだ。


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