CCS特集2014年夏:サターラ

生命科学研究の橋渡し支援、基盤ソフトを機能強化

 2014.06.25−サターラ(SERTARA)は、MBDD(モデルベースの医薬品開発)技術に基づいて、生命科学研究におけるトランスレーショナルアプローチを支援する。昨年12月にアーセナルキャピタルのグループとなり、国内における事業体制も大幅に強化。幅広いソリューションを持つが、今年はとくに研究データの統合・共有化の基盤となる「D360」の普及に力を入れる。

 同社は、創薬のための分子モデリング&シミュレーションを得意とするトライポス、非臨床から臨床研究領域で利用される薬物動態予測ソフトのファーサイト、ヒト臨床試験シミュレーション技術を持つシムシップ−の3社が統合されたベンダー。過去30ヵ月以内に申請された18の医薬品の開発に貢献したという。

 アーセナルは、昨年のノーベル生理学・医学賞を受賞したロスマン博士の助言でサターラのオーナーになり、ロスマン博士自身もサターラのボードメンバーに就任している。今年4月には、新薬申請文書の作成サービスを提供するシンクロジェニックスを買収し、さらにビジネスを広げている。

 さて、戦略商品となる「D360」は、社内外に散在しているデータを統合し、トランスレーショナルサイエンスのインフラとなるシステム。具体的には、さまざまな分野間でデータをひも付けてネットワークとして定義し、データカタログを作成する。その中から見たい情報を自由に取り出すための柔軟なユーザーインターフェースを備えており、IT部門に頼ることなく、研究者が自分でデータ検索・閲覧・解析を行うことが可能である。

 今秋には大幅な機能強化が予定されており、同社では「D360で実現する最先端のトランスレーショナルリサーチ」をテーマにしたセミナー開催も計画している。


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