CCS特集2014年夏:シュレーディンガー
GPUでFEP計算を加速、先進的手法で高い評価
2014.06.25−シュレーディンガーは、モデリング/シミュレーション技術に最新の“サイエンス”を注入し、一歩先を行く機能性を実現。最先端に敏感なユーザーの関心を常に引きつける存在となっている。
とくに今年欧米で注目されているのが「FEP/REST」。自由エネルギー摂動法(FEP)を利用したリード化合物の最適化と探索のための手法で、新しいRESTアルゴリズムを導入して計算を大幅に高速化している。
FEPで化合物の活性を予測することは、何年もかかる計算になってしまう場合が多く、実験して評価した方が速いため実用的ではなかった。しかし、今回のソフトはアルゴリズムを工夫するとともにGPU(グラフィックプロセッサー)を採用することにより計算を加速。4〜8個のGPUを用いた環境を使用することで、実験と同等のスピードで活性を評価することが可能になった。
同社の日本法人では、GPUを組み込んだPCサーバーを用意し、7月からユーザーへの貸し出しを始める。欧米では先行して使用しているメガファーマから報告があがってきており、「信じられない精度で計算ができる」「計算できること自体に感動した」などの声が寄せられているという。
また、同社は受託研究やコンサルティングなどのコラボレーション事業を強化しているが、新たに受託計算サービス「プロフェッショナルアプリケーションサイエンスサービス」をスタートさせた。FTE(フルタイム相当)式の費用で手軽に利用できるもので、今回のFEP計算も請け負うことにしている。
そのほか、創薬研究が外部機関とのオープン型に移行するなか、グラクソ・スミスクラインと共同開発した研究コミュニケーションツール「LiveDesign」も注目されており、製品として販売するとともに、共同研究の基盤としても活用していく。