CTCLSがNGSデータ解析ソフト「GATK」の販売権を取得

大量データから遺伝子の変異解析、学術プロジェクトで使用実績

 2014.04.24−CTCライフサイエンス(CTCLS)は23日、米アピストリー(Appistry、本社・ミズーリ州、ケビン・ハール社長兼CEO)と次世代シーケンサー(NGS)向けデータ解析ソフトウエア「GATK」(Genome Analysis Toolkit)に関する国内初の販売代理店契約を締結したと発表した。学術機関向けに無償で配布され、がん研究や遺伝疾患のためのバイオマーカー発見などの先端プロジェクトで使用実績が豊富なソフトで、今回は民間向けの有償ライセンスを国内で販売する。初年度2億円の売り上げを見込んでいる。

 GATKは、米国のバイオメディカル研究機関である「Broad Institute of MIT and Harvard」(BI)で開発され、2009年から学術機関向けに無償で提供されている。全世界で1,000ユーザー以上に利用され、ヒトの遺伝的多様性に関するカタログづくりを進める国際共同研究「1000ゲノムプロジェクト」、米国立がん研究所(NCI)と米国立ヒトゲノム研究所(NHGRI)による共同プロジェクト「The Cancer Genome Atlas」などに使われたという。2012年からは、アピストリー社が世界で唯一の販売サポート権をBIから取得して、企業向けの商用ライセンスの販売・サービスを提供してきている。

 GATK自体は約70のプログラムから構成され、NGSが出力した大量データから遺伝子の変異解析を行う機能を備えている。腫瘍のサンプルを用いて特定のがんの重要な体細胞変異を発見したり、遺伝疾患の配列変異に関係するバイオマーカーを発見・予測したりする目的で利用されている。複数のプログラムを組み合わせた解析フローが構築できるほか、NGSのBAMファイルを事前チェックすることでデータ品質を高めて、データ解析をより正確に効率的に行うことができる。2つの遺伝子変異検出機能を組み合わせて、解析結果を高精度化することも可能。

 CTCLSでは、GATKのライセンス販売から、GATKを利用したワークフロー作成支援、日本語でのQ&Aサポート、さらにビッグデータに対応可能なストレージやサーバーなどのIT基盤構築まで、ワンストップでユーザーニーズに応えていく。

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<関連リンク>:

CTCライフサイエンス(トップページ)
http://www.ctcls.co.jp/

CTCライフサイエンス(GATK製品紹介ページ)
http://www.ctcls.co.jp/products/list/appistry.html

米アピストリー(トップページ)
http://appistry.com/

Broad Institute of MIT and Harvard(トップページ)
http://www.broadinstitute.org/


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